TOP PAGE
HOME 事務所紹介 資料室 相談室 ハイヌン広場
相談FAQ 用語集 専門情報サイト紹介
 
         
         
産廃業FAQ パソコン&ネットFAQ 建設業FAQ 契約書FAQ 外国人相談FAQ 会社設立FAQ 派遣FAQ 相続FAQ 一般FAQ
     
    推定相続人とはどんな人?
目次
 
 
 

被相続人が亡くなると、配偶者は常に相続人になります。そして配偶者とともに、子、親、兄弟姉妹の順に相続人になります。これが相続の順位です。

  • 第一順位……配偶者と子 生存する子は何人でも第一順位です。養子、特別養子も子として、まったく同じ権利を持ちます。
  • 第二順位……両親 被相続人に子、孫がなかった場合は、配偶者と父母が相続人なります。
  • 第三順位……兄弟姉妹 被相続人に、子、孫も、父母、祖父母もいない場合は、配偶者と兄弟姉抹が相続人になります。
  • 相続人の廃除とは……配偶者、子、父母などのなかに、被相続人を虐待したりして、ひどい仕打ちをした人がいるときは、その人について相続人廃除の申し立てができます。
  • 相続の欠格とは……にせの遺言状を作ったり、遺言状を破ったりの不正をした場合や、被相続人や相続人を殺そうとした場合には、自動的に相続の欠格者となります。

    → 相続・贈与・事業承継

 

    相続時精算課税制度とは?
目次
 
 
 

この制度は、65歳以上の親から20歳以上の子への贈与について、2500万円まで非課税とし、相続の際に、生前贈与された財産を相続財産に組み込んで相続税を課税するというものです。受贈額が2500万円を超えた場合は、超えた分に対して一律20%の贈与税が課されますが、これは相続時の相続税から差し引かれます。また払った贈与税の総額が相続税額より多かった場合は、払いすぎた分が還付されます。さらにこの制度に関連し、平成17年末までを限度として「住宅資金特別控除の特例」も設けられました。この特例は、一定の条件を満たした住宅の取得や増改築のための資金の贈与に限り、非課税枠を1000万円上乗せして3500万円とするものです。

→ 各種マネーセミナー

 

    生前贈与をするときの注意点は?
目次
 
 
 

節税対策として活用される生前贈与ですが、いくつかの大切なポイントをおさえておくと・・・。

1. 贈与契約書を作る。
2. 契約書に書いた日時に、実際に財産を移すこと。
3. 贈与した財産やそれから生じる収入は、受贈者のものであることが周囲にもわかるようにしておくこと。
4. 預金の場合は、印鑑は必ず受贈者のものにし、管理も受贈者がすること。

ただ何よりもまず、資産の承継はどのような形で行うのがベストかを検討してみるのを忘れてはいけません。資産の内容や相続人との関係などを考慮し、現行の課税制度を選択するほうが得か、相続時精算課税制度(当サイトFAQ参照)を選択するほうが得かを見極めることが大切です。その際、今後の財産の価値の変動や、名義変更費用や不動産取得税などかかる費用も考慮しましょう。

→ 相続・贈与・事業承継

 

   
法定相続人が相続できなくなるケースとは?
目次
 
         
 

法律で決められた事由によって相続の権利を失うことが考えられ、次の2つがあります。

1.相続欠格

・ 遺産欲しさに被相続人を殺害した者
・ 相続順位の上位者を殺そうとした者
・ 被相続人が殺害されたことを知りながら告訴・告発しなかった者
・ 遺言するのを妨害した者
・ 詐欺や脅迫により遺言書の作成・変更・取り消しをさせた者
・ 遺言書の偽造や変造、破棄・隠匿をした者

2.廃除

被相続人を虐待したり重大な侮辱を加えるなど、相続人に著しい非行が認められる場合に、被相続人が家庭裁判所に申し立てるか、遺言により相続人の資格を失わせる行為。

しかし、相続欠格及び相続人廃除は、当事者のみに適用されますので、その者に代わって、子が代襲相続することは認められています。つまり、相続欠格及び廃除により相続人の権利を失った者の子は相続人になれ、財産等を相続できるということです。

→ 相続・贈与・事業承継

 

   
遺産分減殺請求とは?
目次
 
         

遺言書で分割する内容が示されていても、法律上法定相続人には、それぞれ法定相続分の2分の1の遺留分(最低限相続できる額のこと)が認められており、相続分がそれ以下になってしまうときには、遺留分の減殺請求を行うことができます。つまり減殺請求とは、遺留分を取り戻すことの意思表示をすることです。これは家庭裁判所に申し立てる必要はなく、遺留分を侵害した人に、遺留分の減殺の意思表示をすることで請求できます。ただし、遺留分の減殺請求は、相続の開始を知ったときから1年以内に行わなければなりません。また、相続人は被相続人の生前に遺留分をあらかじめ放棄することもできますが、兄弟姉妹には遺留分そのものが認められていません。

→ 相続・贈与・事業承継


   
遺産を分割する方法
目次
 
         
 

次の4つの方法が考えられます。

1.現物分割

それぞれの物品等を個別に振り分ける方法です。しかし、それぞれの遺産価値は同一ではなく、換金したときに各自の相続分に差が生じる可能性もあります。

2.換価分割

遺産を分割することが難しいもの(例えば建物、貴金属類など)や、遺産の種類が少ない場合に考えられる方法で、遺産を売却し、その代金を各相続分に応じて分割します。

3.代償分割

細分化すると不利になってしまう遺産の場合(農地や事業用の不動産など)に、一人または数人が現物で相続し、他の相続人に一定額の金銭を支払う方法です。

4.共有

遺産分割はしないで、全相続人が共同で保有する方法です。

なお、遺産分割のための協議は、相続人全員が加わって行うのが原則です。しかし、住んでいる場所が離れていたり、時間がとれないなど、全員がそろうことが難しい場合は、協議書の案を作り、それを郵送するなどして内容を調整することもできます。また、相続人の中に行方不明者がいるときには、家庭裁判所に申し立てて不在者に代わる相続財産管理人を選任してもらい、その管理人を参加させて協議を行うこともできます。

→ 相続・贈与・事業承継

 

   
特別受益と寄与分
目次
 
         

特別受益

大学進学の学費や住宅購入資金の一部、商売の独立資金など被相続人から生前に受け取っているもののことをいいます。この特別受益は、生前に相続したものとみなし、相続すべき遺産にプラスしたものを全遺産と考えます。(特別受益の持ち戻しといいます) なお、特別受益として得ていた土地・建物等の不動産は、相続開始時の価値に換算し直します。(特別受益時2,000万円、相続開始時2,500万円の価値であれば、2,500万円を相続したことになる)特別受益で得ていた額が、その人の相続分を超える場合でも、超えた分を返却する必要は原則としてありません。ただし、特別受益の額が他の相続人の遺留分を侵害するときは、侵害した遺留分に応じた額の返済をしなくてはいけまん。

寄与分

被相続人の家業を助けるなどして遺産の増加に貢献したり、自らの金銭を出すことで遺産の減少を防いだ相続人は、法定相続の際に他の相続人よりも貢献した分だけ多く相続できる制度のことです。寄与分がどの程度あるかは、相続人間の協議で決めます。寄与分の金額に限度はありませんが、他の相続人の遺留分を侵害することはできません。協議が調わないときには、寄与した人が家庭裁判所に請求して、自分の寄与分を決めてもらうこともできます。 

→ 相続・贈与・事業承継


  遺産分割協議がスムースに進まないとき
目次
     
 

遺産分割協議がスムーズに進まないときは、家庭裁判所に遺産分割の申し立てをすることができます。
遺産分割の申し立ては、遺産分割に合意しない相続人が住む地域を管轄する家庭裁判所に、遺産目録や被相続人の戸籍謄本を添えて行います。ただし、遺言で分割方法が指定されている場合や、相続人の中に相続放棄または限定承認を希望する者がいるときには、分割の申し立てはできません。
家庭裁判所による紛争解決の手段には調停と審判がありますが、家庭裁判所は、まず調停を行います。調停で相続人間の意見が一致すれば、その内容は調停調書に記載されます。調停調書は裁判の確定判決と同じ効力をもっていますので、相続人は必ず従わなければいけません。
調停で意見が一致しないときは、審判にゆだねます。審判では、家庭裁判所は必要に応じて職権で遺産の種類などを調べ、相続人の権利、年齢、職業、心身の状態など一切の事情を考慮したうえで、法定相続に従って強制的に財産を分割します。
調停で決まったことがらを履行しない相続人がいる場合には、その者に債務不履行の責任が生じます。他の相続人は、約束を守らない相続人を相手方として、地方裁判所に強制執行の申し立てをすることができます。

→ 相続・贈与・事業承継

 

  土地を共有名義で相続するときの注意点
目次
 
     
 

土地を共有で相続すれば、分割でもめることもなく申告手続きもスムーズにすむ、という利点があります。しかし、後々のことを考えれば、共有は避けたほうが無難です。なぜなら、共有者のあいだで、土地を売り払うか、所有したままを望むかなど、将来意見の食い違いが出てくるケースが考えられるからです。
また、誰が管理をするかという問題も出てきます。話し合って分け合おうにも、土地が狭ければそうもいきません。ならば、はじめから単独で所有することを念頭において、分割協議をすすめたほうがよいでしょう。
ただし、すぐに売却して現金を分け合うことで話がまとまっているいる場合は、共有名義にしても問題はありません。
また、将来売却する予定があり当面、親子などが当該土地・建物に一緒に住むなら、共有にしたほうが有利です。売却時に、居住用財産を譲渡した場合の特別控除がそれぞれ受けられるからです。

→ 相続・贈与・事業承継

 

  基礎控除とは?
目次
 
 
 

相続税は、相続や遺贈によって財産を取得した人が払わなければならない税金です。相続税は、各相続人の財産取得額を基に算出するのではなく、遺産全体の正味の遺産額を基に算出します。この額が相続税の基礎控除額より少なければ、相続税は課税されませんし、申告の必要もありません。また、上回った場合は、その額が課税対象となります。

基礎控除額は 【5,000万円+1,000万円×法定相続人の数】 で算出します。
基礎控除の計算の際に数える、法定相続人の人数の注意点は以下のとおりです。

(1) 認知された子は法定相続人として数えます。
(2) 養子のうち、特別養子は全員法定相続人として数えます。一般養子は被相続人(亡くなった人)に実の子がいる場合は一人、いない場合は二人まで法定相続人として数えます。しかし、一般養子であっても、被相続人が結婚した相手の実の子を養子にしたという場合には、この制限はありません。
(3) 相続の放棄をした人も法定相続人として数えます。
(4) 取得分がゼロの人も法定相続人として数えます。
(5) 相続発生時に胎児だった子は基礎控除の計算の場合には法定相続人に数えません。生まれたときに改めて計算し直します。

→ 相続・贈与・事業承継


  贈与の成立
目次
 
 
 

贈与は、贈与者が自分の財産を無償で受贈者に与えるという意思表示をし、受贈者がそれを受諾することをいいます。つまり、贈与は一種の契約であり、受贈者が受諾しなければ贈与は成立しません。

一方、遺言によって遺産を譲る遺贈は、受贈者が受諾の意思表示をしなくても成立しますので、一般にいう贈与(生前贈与)にあたらず、相続として扱われます。

贈与は一般の契約とは異なり、取り消すことができます。これは、贈与が対価を伴わず、しかも親しい人に対する好意や感謝を表すための行為で、対価を伴う売買とは本質的に異なるものであると考えられているからです。ただし、贈与の目的物を受贈者に渡した後は、口約束による贈与であっても取り消すことはできません。また、贈与の約束を書面で交わした場合には、一方的に取り消すことができません。これは、贈与が法律で保護されるためです。ただし、双方が取り消すことに合意すれば契約を解除することは可能です。

→ 相続・贈与・事業承継


  贈与税の基礎控除と配偶者控除
目次
 
 
 

贈与税には、年間110万円までの基礎控除が設けられています。つまり、毎年控除を受けていても、年間110万円以下であれば贈与税はかかりません。なお、ここでいう基礎控除額の110万円は、一人あるいは数人からの贈与にかかわらず、その合計額をいいます。

また、婚姻期間が20年以上にわたる夫婦間で、居住用不動産またはその取得用金銭の贈与が行われたときには、最高2,000万円までの配偶者控除が受けられます(基礎控除の110万円とあわせれば2,110万円まで非課税)。ただし、贈与税の配偶者控除は、税額がゼロであっても申告しなければ認められません。

配偶者控除を受けることができるための条件は以下のとおりです。

・ 婚姻期間が20年以上の配偶者間の贈与であること
・ 贈与された財産が、居住用不動産か、または居住用不動産を取得するための金銭であること
・ 贈与された年の翌年3月15日までに贈与された不動産に居住しているか、または贈与された金銭によって居住用不動産を取得し、その居住用不動産に引き続き居住する見込みであること

・ 贈与を受ける前年以前に贈与税の配偶者控除を受けていないこと(一生に一度だけの特典)
・ 必要な書類を添付して、贈与税の申告をすること

→ 相続・贈与・事業承継


  贈与税の住宅取得資金の特例
目次
 
 
 

一般に他人から資金を援助してもらえば贈与税がかかります。しかし、住宅を取得するため両親または祖父母から援助を受ける場合には、住宅取得資金贈与の特例という有利な特典を利用することができます。

この特例は、550万円までの住宅取得資金のための贈与が非課税になるというものです。夫婦でこの特例の適用を受けると、それぞれの両親または祖父母から資金を援助してもらえば、合わせて1,100万円までが非課税になります。

550万円を超えても1,500万円までは税額が軽減されます。例えば、1,000万円の援助を受けた場合、通常の贈与税額は231万円ですが、この特例を適用すると45万円となります。

このように、贈与を受ける側には有利な特典ですが、贈与をする側にとっても、生前贈与を活用して相続税額を節税できるという大きな利点があります。
例えば、子供と孫が4人いれば、それぞれに550万円、合計2,200万円を無税で贈与できます。それぞれに特例適用限度額いっぱいの1,500万円、合計6,000万円を贈与したとしても、一人あたり95万円の贈与税しかかからず、通常の相続税額と比較するとかなり少なくてすみます。

→ 相続・贈与・事業承継


  不動産の名義変更の方法と注意点
目次
 
 
 

不動産に関して各相続人の取得分が決まったら、その不動産の所在地を管轄する法務局に、所有権移転登記の申請を出します。

それぞれの取得分が遺産分割協議によって決められた場合は遺産分割協議書を、遺言書の通りに分割した場合には、家庭裁判所の検認を経た遺言書を添えてそれぞれ提出します。また、法定相続通りに分割した場合は、被相続人と相続人全員の戸籍謄本を、調停による分割の場合には、遺産分割調停書を添えてそれぞれ提出します。

相続開始後、直ちに遺産分割のための協議に入れない場合もあります。また、協議が難航することもあります。そのようなときは、とりあえず相続人全員を権利者として、共有で登記しておきます。共有名義の登記は、複数の相続人がいても、その一人が単独で行うことも可能です。

→ 相続・贈与・事業承継


  借地・借家、預貯金等の名義変更の方法と注意点
目次
 
 
 

借地を相続した場合は地主に、借家を相続した場合は大家に、それまでの権利を被相続人から承継したので、名義を変更してほしい旨を申し入れます。特に必要となる書類もなく、名義変更の費用も発生しません。また、地主から手数料などを要求されても、拒否することができます。この逆の立場で、地主であった被相続人の遺産を相続した人も、自分が新たに地権者や大家になっても、変更の手数料を借地人及び借家人に請求することはできません。

銀行などの金融機関では、預け入れ名義人の死亡を知った後は、原則として相続人全員の署名・押印がなければ、それ以降の取引は停止することになっています。そのため、相続人は名義変更の手続きをしない限り、故人の預貯金を引き出すことができなくなります。

必要となる書類は、それぞれの金融機関で多少異なりますが、一般的に次のようなものです。
・ 相続にかかわる依頼書
・ 遺産分割協議書
・ 相続人全員の戸籍謄本
・ 遺言書があるときにはその写し
・ 審判の結果が出ているときには審判書
・ 各相続人の印鑑証明書          など

相続や遺贈によって株式や債券を取得した人は、名義を自分にしておかないと、配当の支払いや企業から発行される各種の通知を受け取ることができません。

相続の場合は、戸籍謄本、遺産分割協議書、相続人全員の印鑑証明書を添え、当該の企業に名義書き換え請求書を提出します。また、遺贈の場合は、裁判所の検認を経た遺言書、遺贈者の戸籍謄本、遺言執行者の資格証明書や印鑑証明書を添えて名義書き換えを請求します。

→ 相続・贈与・事業承継


  被相続人が家族名義の預金を持っていた。相続財産になる?
目次
 
 
 

相続が開始された場合、被相続人の妻や子ども、あるいは孫名義の預金が相続財産になるかどうかが問われるケースがよくあります。

この場合、チェックポイントとなるのが、本来預金のお金は誰のものだったのか、ということです。妻に収入があって自身の名義で貯金していたというのであれば、なんの問題もありません。ところが、預金のお金がもともと被相続人の稼いだお金だったとなると、話は違ってきます。預金の本当の所有者は被相続人であり、妻や子どもの名義を借りていたにすぎないとして、相続財産とみなされる可能性があります。

この場合、預金のお金は被相続人からの贈与だと証明できれば、課税をまぬがれることがあります。生活費や教育費などの非課税財産の贈与や、基礎控除内の贈与であれば税金がかからないからです。

こういったケースは、妻名義の預金は妻の印鑑で作る、子ども名義の預金は子ども自身に管理させるなど、贈与を証明できるように生前から対策を立てておくことが必要です。

→ 相続・贈与・事業承継


  有効な贈与方法
目次
 
 
 

たとえ子であっても、贈与をすれば贈与税がかかるのは当然ですが、課税されない贈与もあります。代表的なものは、扶養義務者が負担する生活費や教育費です。ただし、通常必要とされる程度に限るという制約はありますが、国の内外を問わず、子の教育費に多額のお金がかかっても、正当な範囲内のものであれば非課税になります。

親が子の挙式のための費用を負担した場合、通常、世間一般で行われている範囲の豪華さや、社会的地位にみあったものであれば、贈与税が課せられることはありません。しかし、持参金として110万円を超える金額を子に手渡すと、贈与税が課せられるので注意が必要です。

子に新居の購入資金を贈与した場合、贈与税の対象になりますが、住宅資金の贈与については550万円まで非課税となる特例があります。また、住宅取得用資金の減税措置は、夫婦間の贈与にも設けられています。夫婦間で居住用不動産または、その取得資金の贈与が行われた場合は、配偶者は最高2,000万円が課税価格から控除されます。さらに基礎控除の110万円を加えると2,110万円までの控除が可能となります。しかも、配偶者控除を受けた贈与財産は、贈与後3年以内に贈与者が死亡しても、贈与財産を相続財産に加算する必要はありません。なお、贈与する場合は、減価償却で評価が下がる家屋より、下落してもまた上昇する可能性のある土地のほうが有利です。

その他では、被相続人があらかじめ財産を孫に贈与する方法が考えられます。つまり、子に贈与すれば、仮に被相続人が贈与後3年以内に死亡すると、贈与した財産はみなし相続財産として課税の対象になりますが、推定相続人(法定相続人)以外の人(孫など)に生前贈与した財産は、たとえ相続開始直前の生前贈与であっても、相続財産に加えられることはありません。ただし、孫でも遺言で遺産を贈られた場合は、相続税が課せられます。

→ 相続・贈与・事業承継


  不動産のかしこい節税
目次
 
 
 

宅地を更地で保有するよりも、貸家やアパートなどを建てたほうが節税できます。その理由として、まず貸家建付地にすることによって、借地権の額に借家権割合を掛けた額を更地の価額から控除して評価することができるからです。また、建物も、自宅の約70%の評価でできるようになります。

ただし、この方法の注意点は、あらかじめ借家人の確保計画を立てたり、収支計算などを慎重に行うなど、綿密さが求められることです。そのほか、相続が発生すれば、納税資金を確保するため、その土地を売却する可能性が高いときには、売りやすい更地にしておいたほうが有利な場合もあります。したがって、この方法はケースバイケースといえるかもしれません。

また、更地を所有しているが、マンションなどを建築するだけの資金がないという場合は、等価交換方式の利用を検討してみるのもよいと思います。等価交換とは、地主が土地を提供する一方、開発業者(ディベロッパー)が建築費を出資してマンションやビルなどを建てる方法です。建築した建物は、それぞれが出資した比率に応じて区分所有できます。その結果、建物は貸家として、評価額は固定資産税評価額の70%に減少します。さらに、土地についても貸家建付地として、更地の価額から貸家権分を控除することができます。また、建物を賃貸にすると、土地のうち200平方メートルまでは小規模宅地等評価の特例により、貸家建付地価額の50%で評価されます。

→ 相続・贈与・事業承継


  節税を意識した遺産分割
目次
 
 
 

協議分割による遺産分割には、遺産額が法定相続分、あるいは1億6,000万円のいずれかの額以下であれば非課税になる、配偶者控除を利用する節税方法があります。つまり、被相続人の配偶者に配偶者控除の限度枠いっぱいまで、相続させることによって、全体として納付すべき相続税を少なくするというものです。

しかし、ここで注意しなければならないのは、将来値上がりしそうな遺産は配偶者に相続させないということです。例えば、被相続人の配偶者が土地を相続することで節税できたとしても、通常、配偶者は子より先に死亡します。そのときに土地が値上がりしていれば、被相続人が死亡したときよりも多くの相続税を子が支払うことになります。その額が前回節税した分を上回れば何にもならないからです。つまり、配偶者は預貯金や現金、家屋などを優先して相続するほうが、有利になります。

将来、売却予定のある住宅は、そこに居住可能な人が相続したほうが有利です。これは相続した物件を売却するときに課せられる所得税の関係で、売却する不動産が居住用であれば3,000万円の特別控除を利用でき、譲渡所得から特別控除額を差し引いて計算できるからです。そのため、譲渡利益が3,000万円以下であれば非課税となり、3,000万円を超えていても、超えた部分のみが課税の対象となります。

ただし、この特例は、譲渡者自身が現に居住している家屋か、居住しなくなって3年が経過する年の年末までに譲渡した場合に限り、受けられます。

→ 相続・贈与・事業承継


  遺産の取得と放棄
目次
 
 
 

遺産をそのまま相続することを単純承認といいます。単純承認では被相続人のプラスの財産とマイナスの財産(借金)を同時に相続することになります。従って、被相続人にマイナスの財産がある場合には、その借金を遺産の中から優先的に債権者に支払わなければいけません。

このマイナスの財産と認められるものは、具体的には借金や銀行などからの借入金、電気・ガス・水道・電話代などの未払い金、店へのツケなどの買掛金、住宅などの各種ローン、入院費などの未払い医療費(被相続人の子どもが立て替え払いしたものも含む)、貸家などの賃借人からの敷金・保証金などの預かり金などです。また、何人かで連帯して返済することになっている債務(連帯債務)のうち、被相続人が負担することが明らかになっている金額がある場合には、その額も含まれます。

相続の意思表示は、自分が相続人になったことを知ったときから3ヵ月以内にしなければなりません。仮に、何の意思表示もせずにこの期間が過ぎてしまえば返済義務を含め、すべて相続したものとみなされます。さらに、相続財産の一部を消費してしまえば、単純承認したとみなされます。この3ヵ月間を熟慮期間といいます。この期間中に相続の意思表示をすると、その後の変更はできません。

例えば「全財産の1割を贈与する」というように、遺産全体に対する割合を指定して遺贈される人もいます。このような方法で遺贈された人を包括受遺者といいます。包括受遺者は、他の相続人と同様、指定された割合に応じて被相続人の返済義務も引き受けなければなりません。一方、例えば「指輪類は妹に遺贈する」というような、遺産の中で特定のものを遺贈された特定受遺者は、遺言に特別の指定がない限りマイナス遺産の返済義務を負うことはありません。なお、遺言書で遺産を贈られても、これを放棄することは自由にできます。

遺産の額や種類が判明するまでには、ある程度時間がかかるのが普通です。そこで、マイナスの財産のほうが多いと予想されるときには限定承認という方法をとることができます。これは、相続財産の範囲内でマイナス財産も承継するという相続方法です。結果的にプラス財産のほうが多ければ、差し引いた遺産を取得することができます。そのため、遺産額がプラスかマイナスかはっきりしないときに有効な方法といえます。財産目録の作成が、熟慮期間中(3ヵ月以内)にできないときは、期間の延長もできます。

最初からマイナスの財産のほうが多いとはっきりわかっているときには、相続放棄を選ぶことができます。相続の放棄は、相続人が相続放棄申述書を相続の開始から3ヵ月以内に、家庭裁判所に提出しなければなりません。家庭裁判所は、この申述書によって本人の意思を確認したうえで受理します。なお、相続財産の一部を処分したり、隠匿したりすると放棄は無効となり、単純承認したものとして扱われます。

相続放棄が家庭裁判所で受理されると、原則として取り消すことはできません。むやみに取り消しを認めると、他の相続人や第三者に迷惑をかける可能性があるからです。ただし、相続放棄の意思表示が、だまされたりおどかされて行われた場合や、法定代理人の承諾を得ない未成年者によってなされていた場合などは、取り消すことができます。

→ 相続・贈与・事業承継


  遺言の基本
目次
 
 
 

遺言書の内容は、相続発生と同時に法律によって厳重に守られ、協議分割成立以外は、相続人は遺言書に拘束されます。遺言は、満15歳以上で正常な判断をもつ人であれば誰にでもできます。また、成年被後見人も遺言できますが、正常な判断のもとに行ったことを証明するために、2名の医師の立ち会いが必要になります。

特定の相続人に対して法定相続分とは異なる割合を指定したり、あるいは土地は長男に、書画骨董は次男にというように、遺産ごとに相続人を指定することができます。また、相続分の指定と遺産分割方法の指定を第三者に委託することもできます。さらに、5年を超えない範囲であれば、遺産の分割を禁止することも可能です。このほか、特別受益の持ち戻しの免除、祭祀継承者の指定なども遺言できます。

その他では、遺言で非嫡出子を認知したり、相続人の中に未成年者がいる場合、その財産を管理する後見人を指定したり、後見人を監督する人(後見監督人)も指定することができます。さらに、相続人の廃除、廃除の取り消しも遺言できます。併せて、遺言書の内容を実行する遺言執行者の指定や、その指定を第三者に委託することもできます。中でも、子の認知の届け出や相続人の廃除、その取り消しの請求は、遺言執行者でないとできませんので、必要に応じて指定します。

→ 相続・贈与・事業承継


  自筆証書遺言
目次
 
 
 

自筆証書遺言は、名称のとおり自分で書く方法です。肉筆で申し残しておきたい内容を書き、日付を入れ、署名・押印すればできあがりです。さらに、用紙の種類や大きさ、筆記具などは問われませんし、封筒に入れて封をするかどうかも自由です。

ただし、簡単に書けるので、記入もれも目立ちます。その代表例が日付の記入もれです。年号は西暦でもかまいませんが、日付を明記しないと法律的には無効となります。なお、「平成○○年元旦」や「○○年の誕生日にこれを記す」など、日付が記載されていなくても書いた日が特定できれば有効です。

また、自筆証書遺言は、すべて自筆でなければいけません。ワープロで打ったり、テープに吹き込んだり、代筆されたものは無効です。書き上げた後は、自分で保管します。その後訂正したい箇所があるときは、訂正してもかまいません。訂正箇所に訂正印を押し、訂正した文字数を明記して、その部分に署名します。訂正印は、署名の横に押した印と同一のものを使用します。ちなみに、遺言書に使用する印鑑は、三文判でもよいとされていますが、なるべく実印を使いましょう。

→ 相続・贈与・事業承継


  公正証書遺言と秘密証書遺言
目次
 
 
 

公正証書遺言は、公証人役場に出向いて、公証人に書いてもらう方法で、二名以上の証人が必要です。ただし、未成年者や成年被後見人、推定相続人や受遺者、それらの配偶者、公証人の配偶者や四親等以内の親族、雇用人などは証人になれません。

公正証書遺言は、遺言者が遺言内容を公証人に口頭で告げ、それを公証人が筆記します。筆記が終わると、公証人が記載内容を読み上げ、遺言者と証人が内容に間違いないと認めると、それぞれが署名・押印(実印)します。これに、公証人は、遺言書が法律に従って作成されたものであることを付記して署名・捺印し、公証人役場で保管します。

このように、公正証書遺言は自分で保管する必要もなく、遺言の存在と内容を明確にしておくことができる利点があります。また、身体に障害がある人や、寝たきりの人など、公証人役場に出向くことが困難であっても、公証人を自宅や病院に呼んで遺言することも可能です。家庭裁判所の検認を受ける必要もありません。一方で、証人が立ち会って、公証人が書き取るわけですから、遺言内容の秘密が保ちにくいという欠点もあります。また、公証人への手数料も必要になります。

秘密証書遺言は、公正証書遺言と自筆証書遺言の中間的なものです。つまり、自分で書いて封印し、二名以上の証人とともに、公証人役場で本人が書いたものであることを確認してもらう方法です。遺言書自体は自筆でなくてもよく、代筆してもらったものでも、タイプやワープロで作成したものでもかまいません。

秘密証書遺言は、自筆したものである限り、証人も公証人も遺言内容を知りませんので、秘密は完全に保たれます。そのうえ、証人がいるわけですから、遺言書の存在もはっきりしています。ただし、書き方に不備があれば無効になりますし、本人が保管するのですから、紛失する可能性もゼロとはいえません。

→ 相続・贈与・事業承継


  自分の希望通りに相続させる遺言書
目次
 
 
 

被相続人としては、配偶者に定期収入がなければ、なるべく多くの遺産を残しておきたいと思うのが人情です。また、家業を長年手伝ってくれた子には他の子よりもたくさん相続させたい、看病をしてくれた嫁に感謝の気持ちを込めて遺産を譲りたい、などと思うこともあるでしょう。

そこで、例えば配偶者に最大限の遺産を残したいときには、「全財産を妻に相続させる」と遺言書に書いておきます。ただし、子には遺留分がありますから、遺言の通りにはなりませんが、遺留分は法定相続分の2分の1ですから、妻の相続分が多くなります。これは、子が一人のときは、法定相続では妻と子が2分の1ずつ相続しますが、先のように書いておくと、子が遺留分減殺請求を起こしたとしても、全体の4分の3を配偶者に相続させることができます。

被相続人が事業を営んでいて、主な財産が店舗や信用しかないという場合、それを分割して相続させると事業の継続が困難になることがあります。このようなときは、遺言で遺産の分割を禁止します。禁止の効力は5年間ですが、それだけの期間があれば、相続人同士でなんらかの解決策をみつけることができるかもしれません。

また、特定の相続人に事業のすべてを相続させたいと願う被相続人もいるでしょう。こうしたときには、他の相続人に遺留分を放棄してもらいます。相続の放棄は相続発生後でなければできませんが、遺留分の放棄は相続発生前にできます。ただし、遺留分の放棄には家庭裁判所の許可が必要です。

遺言書は、相続発生後速やかに発見されるのが理想ですが、その反面、生前中の保管・管理がめんどうです。ベストな方法は、弁護士など社会的に信頼できる人に保管を委託することです。また、銀行の貸金庫を利用する人も多いようです。このほか、信頼できる親戚に預けるという方法もあります。その点、秘密証書遺言や公正証書遺言は、この種の心配はありませんので、事情が許す限りいずれかの方法をとったほうがいいでしょう。

→ 相続・贈与・事業承継


  遺言書が見つかったら?
目次
 
 
 

被相続人の死後、遺言書を見つけた人や遺言書を預かった人が、勝手に遺言書を開封することは厳禁です。必ず、すぐに遺言者の住所地の家庭裁判所へ遺言書を提出し、検認の請求をしなければなりません。検認とは、遺言書があることを関係者に知らせ、偽造や変造を防いで保存を確実にするためにとられる手続きのことです。公証人役場に保管されている公正証書遺言以外の遺言書は、この手続きを経なければいけません。この手続きで、相続人の立ち会いのもとに遺言書を開封し、内容を検証することになります。もし、検認の手続きを経ないで勝手に開封してしまった場合は、過料が科せられます。

遺産分割が終わった後に、遺品を整理していたら遺言書が出てきたという場合の扱いですが、原則として、遺言書の内容よりも協議分割の内容が優先されます。そのため、相続人全員が協議分割に合意していれば、遺産分割をやり直す必要はありません。遺言書には、相続にまつわる紛争を避けるという目的もあります。従って、順調に相続が行われている以上、その目的はほぼ達せられていると解釈できるのです。

しかし、遺言執行者が指定されていると、話は違ってきます。相続人は遺言執行者の行動を妨げることはできませんから、執行者が遺言通りに分割すると言えば、それに従わなければなりません。もちろん、遺言執行者が協議分割を追認した場合は、そのままでかまいません。

→ 相続・贈与・事業承継


  相続分皆無(不存在)証明書
目次
 
 
 

農業や商業を営んでいる場合、現在の均分相続でいくと、事業用資産が細分化され、経営が成り立っていきません。そこで、一般に利用されているのが、相続放棄と遺産分割協議書の利用です。相続の放棄は、家庭裁判所に相続放棄の申述書を提出する手続きが必要です。遺産分割協議書は、自分は何々の財産をもらうということを協議書に記載して相続人全員が署名捺印して(印鑑証明書の添付が必要)作成するものです。
これらの手続きを省き、もっと簡単な方法として、“相続分皆無(不存在)証明書”を利用する方法が行われています。これは、「生前に被相続人より、生計の資本その他特別受益を得ているので相続分はありません」という趣旨の証明書で、民法903条に規定する特別受益者の相続分について作成される証明書です。他の相続人が相続による所有権移転登記をする際に必要です。
この方法は、遺産分割協議手続きや相続放棄手続きの脱法手段として濫用される危険性があり、後日、紛争のもとになりやすいとの批判がありましたが、その効力については有効であるとの判決も出ています。特別受益の内容としては、「生計の資本」、「学資金」、「誰々との離婚の際」などと財産の贈与を受けたことを記載しますが、具体的な金額などは不要です。証明書に押印した印鑑の印鑑証明書が必要ですが、収入印紙は不要です。

→ 相続・贈与・事業承継


  内縁の妻は相続人になれるか?
目次
 
 
 

内縁の妻は被相続人に妻や子・親・兄弟姉妹等の法定相続人がいる場合には、相続人となることはできません。ただし、被相続人に妻や子・親・兄弟姉妹等の法定相続人がいない場合には、特別縁故者として相続が認められるでしょう。
なお、居住用の借家については、他に相続人がいない、借家が居住用であるという条件を満たしていれば、内縁の配偶者もしくは事実上の養子等の関係にある者が同居者である場合、借家権の承継を認めています。また、借地についてはこのような規定はありません。しかし、被相続人が生きている間に借地上の建物を内縁の妻名義にしておくか、遺言に借地上の建物は内縁の妻に贈与するとはっきり書いてあれば、建物の所有者は内縁の妻になれます。
特別縁故者 …… 被相続人と生計を共にしていた人や被相続人の療養、看護に努めた人などが認められ、相続人の不存在が確定したら、家庭裁判所に相続財産の分与を申立てをすることにより財産の全部または一部が分与されます。

→ 相続・贈与・事業承継


  農地相続のための対策
目次
 
 
 

相続法の規定では、相続人である子の相続分は平等です。例えば、農業を継ぐ長男も、サラリーマンをしている次男も、結婚した長女も、同じ割合で相続することになります。しかし、農地法では、農地は自ら耕作する者が所有することが原則となっています。もし仮に、農地を先の三人が当分に相続したとしても、次男・長女に農業経営は事実上不可能ですし、農地を売ることも農地法上困難(知事などの許可が必要)です。だからといって、長男が次男・長女の相続分である農地を金で買い取るというのも、あまりに重い負担となります。このようなことを見越して、農業経営の継続のための有効な対策としては次のようなものがあります。

対策(1) 
公証人役場で公正証書で遺言を作り、長男に農地を相続させるという遺言をしておきます。ただし、この方法では、他の相続人から遺留分を返せという遺留分減殺請求があると、長男は返さなくてはならなくなります。したがって、この方法を完全にするためには、被相続人の生存中に、他の相続人を納得させて遺留分放棄をさせておく必要があります。

対策(2) 
農地は全部、長男に生前贈与してしまいます。この方法の利点は、農地を贈与した結果、他の相続人の遺留分を侵害していても、あとからこれに対して他の相続人が文句をつけるということが(裁判上の手続きが必要で、時間と費用がかかり大変なため)事実上困難だということです。他の相続人にも農地以外の財産をある程度残しておけば、それでうまく片がつくことが多いものです。

→ 相続・贈与・事業承継


  借金を相続するとき
目次
 
 
 

相続財産には借金のようなマイナス財産も含まれます。例えば、死亡した人(被相続人)の“銀行への債務・手形振り出しの債務・連帯保証人の地位・裁判上の地位”などです。その負担があまりに大きいときは、相続人が相続放棄をすることもできます。

相続放棄をせず、マイナス財産を相続する場合は……
例えば、法定相続人が2人の子だけなら法定相続分に応じて2分の1ずつ相続することになります。相続人間で話し合いこれとは異なる割合で負担することもできます。相続人の1人が相続放棄すると残りの相続人にその負担がいくことになります。

身元保証については、被相続人の一身専属的なもので、相続によりその地位が承継されることはありません。問題は、将来にわたる継続的取引などによる債務の連帯保証の場合です。この場合、被相続人(連帯保証人)の死亡後に生じた債務については保証債務を相続人は承継しないというのが判例の立場です。なお、保証債務も債務の一種ですから、被相続人の生前に保証より生じた債務については弁済義務を負います。

→ 相続・贈与・事業承継


  相続人を探すには?
目次
 
 
 

兄弟仲が悪かったりしますと、相続が開始しても、相続人が不明の場合があります。このようなとき長年、消息不明であれば失踪宣告 (※)の申し立てという方法もありますが、多くの場合、生きているのは確実ですが、今どこにいるかがわからないといったケースが多いようです。

このような場合、住民票の附票を追っていくという方法があります。住民票の附票には、どこに、いつ住民票を移したかが分かるようになっています。理由がなければ見せてくれませんが、相続のために相続人を探していることを証明すれば、見せてくれるはずです。

※ 失踪宣告の手続
利害関係人(不在者の配偶者、父母、相続人)が、不在者の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てます。家庭裁判所は調査を行った上で、失踪に関する届出の公示催告をします。不在者本人、利害関係人による取消し(即時抗告)がなければ、失踪宣告は確定します。
失踪者が生存していたとき、失踪宣告は取消されます。しかし、取消し前に善意でした行為は有効です。財産は本人に返還しなくてはなりませんが、現に利益を受けている限度(財産の一部を使った場合は残っている部分について)で返還すればよいことになっています。

→ 相続・贈与・事業承継


  遺言があるときの相続は
目次
 
 
 

遺言書どおりに相続したくないからといって、遺言が有効である限り、勝手に遺産を分けるわけにはいきません。ただし、遺留分侵害があれば減殺請求権の行使ができます。また、寄与分の主張が認められて変わる場合もあります。

なお、指定相続分や遺贈の権利を持つ者の自由意思による同意があれば、遺言に定められた場合・指定された物件と異なる分割をしても違法ではありません。つまり、相続人間で話合いがつけばいいということです。

遺留分 …… 民法が規定した、被相続人が法定相続人に最低限残さなければならない遺産の最低部分のことです。ただし、兄弟姉妹に遺留分はありません。遺言や遺産分割協議による遺産分割が「遺留分」を持つ法定相続人の遺留分を侵害している場合、その法定相続人は「遺留分減殺請求権」を行使して侵害された遺留分を取り戻すことができます。

→ 相続・贈与・事業承継


  遺留分とは何か?
目次
 
 
 

被相続人の財産のうち、一定の相続人に必ず承継されるべきものとされる一定の割合を「遺留分」といいます。人は、遺言で、もしくは生前に、自由に財産を処分することができるというのが原則ですが、遺留分の制限を受けます。遺留分を持つ人(遺留分権者)は、被相続人の兄弟姉妹以外の相続人です。すなわち、被相続人の子、その代襲者、配偶者、および直系尊属(父母など)です。

遺留分算定の基礎となる遺産の総額は、相続開始時の被相続人の財産の価額に、相続開始1年以内の贈与の価額を加え、そこから寄与分、債務を控除して計算します。

遺留分権者の受けた相続財産が遺留分に満たない場合、これを「遺留分の侵害」といいます。遺留分を侵害する遺言や贈与も、それで無効になるわけではありません。遺留分を侵害された人が、侵害された分を取り戻したいときには「遺留分減殺の請求」をすることになります。減殺の請求は、他の相続人に対する遺贈・贈与だけでなく、相続人でない第三者に対する遺贈・贈与についてもできます。

よく相続で、相続人となる者が、生前に相続の放棄を約束するケースがあります。しかし、これは契約書にしてあったとしても、法律的には何の意味もありません。法律上は、生前に相続の放棄の約束をしても無効ということになります。

このような場合、遺留分の放棄という制度を利用するしかないのです。遺留分の放棄は家庭裁判所の許可を得て行ないます。同時に遺言状を作成しておけば、この遺言状の中身が遺留分を侵害していても、遺留分減殺請求はできないことになります。なお、遺留分放棄に当たっては、なんらかの条件が示されることがあります。この場合、この条件次第では裁判所の許可が得られない場合もあります。

→ 相続・贈与・事業承継


  相続人がいない場合
目次
 
 
 

結婚をせずに亡くなった方で、親兄弟もすでに亡くなっている場合は、法定相続人がいないという事態が考えられます。この場合、遺言がなければ、亡くなった方の財産は最終的に国に帰属します。しかし、生前に面倒を見た方がいる場合は、特別縁故者として、財産の遺贈を受けることも可能です。ただし、特別縁故者に該当するか否かの判断は、家庭裁判所に申し立てをして判断してもらうことになります。

→ 相続・贈与・事業承継


  故人名義のまま滅失登記はできるか
目次
 
 
 

被相続人が契約した借地に、被相続人名義の家があり、被相続人の死亡により居住者がいなくなったときのことです。借地を更地にして地主に返却する予定の場合、家を解体して登記を取り消すときでも一度家を相続(名義変更)する必要はなく、被相続人名義のままでも家を解体して登記を取り消すことができます。

その際には、相続登記をするときと同様、被相続人及び相続人の除籍・戸籍謄本等を添付する必要があります。

→ 相続・贈与・事業承継


  交際中の女性に財産をすべて譲りたい
目次
 
 
 

交際中で未入籍の女性は相続人ではありませんので、財産を残すには遺言により遺贈するしかありません。遺言書は、公正証書遺言を作成すれば、確執のある兄弟などに握りつぶされる心配はまずありません。そのうえで遺言執行者を決めておき、遺言執行者に保管してもらうことで問題はありません。
なお、全財産を未入籍の女性にと考えても、両親が健在であれば、両親には遺留分が発生します。遺留分の割合は、財産の3分の1です。どうしても両親に渡したくないとのことでしたら、その女性に生前贈与するしかありません。

→ 相続・贈与・事業承継


 
FAQ 派遣もぜひご覧ください。
こちらをクリックしてください。
 
FAQ 派遣
 
TOP
 
 
E-mail BACK
E-mail