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・・・・・派遣会社設立前予備知識 ・・・・・
   
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一般労働者派遣事業では通常、派遣労働者を常時雇用することはありません。あらかじめ派遣労働者として働くことを希望する者を登録しておき、具体的な派遣先が決まり、実際に労働者派遣が行なわれる期間だけ、雇用するという形態をとっています。

このような業者では、派遣労働者としての登録をしても、常に派遣労働者としての仕事があるわけではありません。仕事がないあいだは雇用関係もなく、実際に派遣されることになってはじめて、その期間だけ派遣元と雇用契約を結んで雇用され、給料等が支払われるわけです。

このような形態は、特定労働者派遣事業に働く者とくらべると、労働者雇用が不安定な状態になることは明らかです。そのため、一般労働者派遣事業には格段に厳しい許可要件が定められています。一般労働者派遣事業を行なう場合には厚生労働大臣の許可を得なければなりません。この許可には有効期間が定められていて、最初の許可の日から3年間、以後更新の都度5年間、有効とされます。

→ 労働者派遣事業コンサルティング


   
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特定労働者派遣事業では、派遣される労働者は、派遣先が決まっていないときでも、その派遣元事業所に雇用されているので、雇用の不安定な状態は起こりにくいといえます。このため、一般労働者派遣事業にくらべると、それを行なうのに必要な手続きも、大幅に簡素化されています。

特定労働者派遣事業を行なうには、必要な書類として定められている書類を添付し、その事業所の所在地の労働局を経由して厚生労働大臣に届け出をします。 また、特定労働者派遣事業を行なう者が、人材不足等の理由で一時的にせよ、常時雇用していない労働者を派遣するようなことは許されません。

たとえ1人でも常時雇用していない労働者を派遣労働者とすると、特定労働者派遣事業に該当しなくなるため、一般労働者派遣事業の許可を得なければならないのです。

→ 労働者派遣事業コンサルティング


   
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紹介予定派遣とは、労働者派遣の開始前または開始後に、雇用することを前提に、まず派遣労働者として使用し、その間の派遣労働者の働きぶりから能力・適性を見極め、派遣先で雇い入れようと思う場合には、派遣元から職業紹介を受けて、従業員として雇い入れる制度です。

派遣先が雇い入れたいと申し入れても、派遣労働者の側が派遣先の労働条件や職場環境などに疑問を感じたときなどは、雇入れを断ることができます。

派遣元事業所が紹介予定派遣労働者として労働者を雇用するときには、その旨を明示することが義務付けられています。

平成16年3月の派遣法改正後は派遣と職業紹介を同時進行で行なうことができますが、これらは別の事業です。紹介予定派遣を行なうためには、派遣業の許可・届け出と有料職業紹介の許可・届け出の両方の条件をクリアしている必要です。

この制度を用いることによって、派遣先には、求人・採用に関するさまざまな業務を派遣先に代行させることができる、採用予定者に対して雇用のリスクをとらないで試用期間を設定できる、などのメリットがあります。

派遣労働者の側も、事前に派遣として働くことで実際の業務や職場の雰囲気などを把握することができるので、雇用のミスマッチ解消に役立つ制度であるともいわれています。

紹介予定派遣で注意することは、紹介予定派遣の期間は、6ヶ月を超えないように求められています。また派遣先が、職業紹介を受けることを希望しなかったり、紹介された労働者を雇用しなかった場合には、派遣元の求めに応じて、その理由を書面、FAXまたはEメールにより明らかにしなければなりません。派遣元は、雇用されなかった労働者の要求があれば、その理由を明らかにすることを派遣先に求めるとともに、明示された理由を当該労働者に文書で明示しなければなりません。

さらに、派遣ができない業務でも紹介予定派遣なら認められる業務として、医療機関への派遣があります。通常の医療機関への派遣は禁止されていますが、紹介予定派遣に限り、病院などへの派遣も認められるようになりました。

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派遣とは、自己の雇用する労働者を“他人の指揮命令を受けて、その他人のために労働に従事させること” です。一方、請負とは通常、労働の結果としての作業の完成を目的とするものです。注文者と労働者との間に指揮命令関係を生じるのが派遣、生じないのが請負です。

請負は、一般的には土木・建設業で広く行なわれていますが、請負業者が自己の裁量と責任の元に、自己の雇用する労働者を直接指揮して、仕事の完成にあたる点が派遣とは違います。

請負事業と認められる基準は、

(1)自分の資金で
(2)自分で雇っている労働者の労働時間などを管理して 
(3)自分で労働者を指揮し、服務規律などを守らせ
(4)自分で責任を持って必要な資金は調達し、支払いを行ない
(5)自分が業務処理について事業主としての責任を負い
(6)自分で必要な機械、設備、材料などを調達し
(7)自分の企画や専門的な技術などに基づいて業務を処理するということです。

→ 労働者派遣事業コンサルティング

 

 
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一般労働者派遣事業を行おうとする場合は、次に掲げる書類を事業主の主たる事務所を管轄する都道府県労働局を経由して厚生労働大臣に提出しなければなりません。また、許可申請書には、手数料として12万円+5万5千円×(一般労働者派遣事業を行う事業所数−1)の収入印紙を貼付する必要があります。例えば、2か所の事業所で行う場合の手数料は、12万円+5万5千円×(2−1)=17万5千円です。

■ 必要書類リスト

(1) 一般労働者派遣事業許可・許可有効期間更新申請書 3部(正本1通、写し2通)
(2) 一般労働者派遣事業計画書 3部(正本1通、写し2通)
(3) 次に掲げる添付書類 2部(正本1通、写し1通)

(法人の場合) 
(1)〜(3)の他に、以下の書類

・定款又は寄付行為
・登記簿謄本
・役員の住民票の写し及び履歴書
・貸借対照表及び損益計算書
・法人税の納税申告書(別表1及び4)の写し
・法人税の納税証明書(その2所得金額)
・事業所の使用権を証する書類(賃貸借契約書等)
・派遣元責任者の住民票の写し及び履歴書
・個人情報適正管理規程

(個人の場合)
(1)〜(3)の他に、以下の書類

・住民票の写し及び履歴書
・所得税の納税申告書の写し
・所得税の納税証明書(その2所得金額)
・預金残高証明書
・不動産登記簿謄本の写し
・固定資産税評価額証明書
・事業所の使用権を証する書類(賃貸借契約書等)
・派遣元責任者の住民票の写し及び履歴書
・個人情報適正管理規程

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特定労働者派遣事業を行おうとする場合は、次に掲げる書類を事業主管轄労働局を経由して厚生労働大臣に提出しなければなりません。なお、手数料(労働局に支払うもの)はかかりません。

■ 必要書類リスト

(1)特定労働者派遣事業届出書 3部(正本1通、写し2通)
(2)特定労働者派遣事業計画書 3部(正本1通、写し2通)
(3)次に掲げる添付書類 2部(正本1通、写し1通)

(法人の場合) 
(1)〜(3)の他に、以下の書類

・定款又は寄付行為
・登記簿謄本
・役員の住民票の写し及び履歴書
・事業所の使用権を証する書類(賃貸借契約書等)
・派遣元責任者の住民票の写し及び履歴書
・個人情報適正管理規程

(個人の場合)
(1)〜(3)の他に、以下の書類

・住民票の写し及び履歴書
・事業所の使用権を証する書類(賃貸借契約書等)
・派遣元責任者の住民票の写し及び履歴書
・個人情報適正管理規程

→ 労働者派遣事業コンサルティング


   
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有料職業紹介事業を行おうとする場合は、次に掲げる書類を申請者の所在地を管轄する都道府県労働局を経由して厚生労働大臣に提出しなければなりません。この場合、許可申請書には、手数料として5万円+1万8千円×(有料職業紹介事業を行う事業所の数−1)分の収入印紙を添付する必要があります。

■ 必要書類リスト

(1)有料職業紹介事業許可申請書 3部(正本1通、写し2通)
(2)有料職業紹介事業計画書 3部(正本1通、写し2通)
(3)届出制手数料届出書 3部(正本1通、写し2通)

次に掲げる添付書類 2部(正本1通、写し1通)

(1)法人に関する書類 

・定款又は寄付行為
・法人の登記簿謄本

(2)代表者、役員、職業紹介責任者に関する書類

・住民票の写し
・履歴書

(3)資産及び資金に関する書類

・最近の事業年度における貸借対照表及び損益計算書
・預貯金の残高証明書等所有している資産の額を証明する書類
・所有している資金の額を証明する預貯金の残高証明書
・最近の事業年度における納税申告書の写し(法人にあっては法人税の納税申告書別表1及び4、個人にあっては所得税の納税申告書第一表)
・最近の事業年度における法人税又は所得税の納税証明書(〈その2〉による所得金額に関するもの)

(4)個人情報の適正管理に関する書類

・個人情報の適正管理及び秘密の保持に関する規程

(5)業務の運営に関する書類

・業務の運営に関する規程

(6)事業所施設に関する書類

・建物の登記簿謄本(申請者が所有している場合)
・建物の賃貸借又は使用貸借契約書(他人の所有物の場合)

(7)手数料に関する書類

・手数料表(届出制手数料の届出をする場合)

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  常用型派遣と登録型派遣の違い
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常用型派遣は、派遣先の有無にかかわらず派遣労働者が派遣元に常時雇用されているものをいい、登録型派遣は、派遣労働者が派遣元に登録をしているだけで、派遣先が決まったときにはじめて派遣元と雇用契約(派遣労働契約)を締結するものをいいます。派遣法は登録型派遣を行なう派遣事業を一般労働者派遣事業、常用型派遣のみ行なう派遣事業を特定労働者派遣事業と呼んでいます。

派遣元の派遣労働者全員が「常時雇用される」、つまり、派遣労働者全員が常用型派遣の場合には、その派遣元は特定労働者派遣事業となります。一方、事業所に「常時雇用されていない」派遣労働者、つまり、登録型の派遣労働者が1人でもいれば、その派遣元は一般労働者派遣事業となります。

日々雇用や6ヵ月などの一定の期間を定めて雇用されている派遣労働者の場合でも、過去1年を超える期間について引き続き雇用されて、事実上期間の定めなく雇用されるのと同等と認められる場合や、その採用のときから1年を超えて引き続き雇用されると見込まれる場合には、「常用雇用される」ものに該当することになります。これを逆にいうと、更新する予定なしに1年以内の期間を定めて雇用したり、1年以内の期間を定めて雇用し、期間満了時に更新しない労働者がいる場合には、「常時雇用される」もの以外の派遣労働者(登録型派遣労働者)を雇用するものとして、一般労働者派遣事業と認定されることになります。

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・・・・・派遣事業運営中の疑問 ・・・・・
   
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次のいずれかに該当する業務は、労働者派遣事業の適用除外業務であり、これらの業務での労働者派遣事業を行ってはいけません。

(1) 港湾運送業務
(2) 建設業務
(3) 警備業務
(4) 病院等における医療関係の業務(紹介予定派遣をする場合を除く)

また、次の業務についても、労働者派遣事業を行ってはいけません。

(1) 人事労務管理関係のうち、派遣先において団体交渉又は労働基準法に規定する協定の締結等のための労使協議の際に使用者側の直接当事者として行う業務
(2) 弁護士、外国法事務弁護士、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士、税理士、弁理士、社会保険労務士又は行政書士の業務
(3) 建築士事務所の管理建築士の業務

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現行法で禁止されている業務についての派遣、派遣事業者の許可を得ていない者による派遣、期間の制限を超える派遣、二重派遣などが、違法な派遣に該当します。

派遣は原則として自由に行なえますが、一部の業務についてはなお、法令等で派遣が禁止されています。派遣元が、禁止されている業務についての派遣を行なうことは当然違法です。

労働者派遣事業には、一般労働者派遣事業(許可制)と特定労働者派遣事業(届出制)の2種類がありますが、この許可や届け出を行なっている派遣事業者でも、他の派遣事業者から派遣された者をさらに第三者へ派遣する‘二重派遣’行為は違法です。二重派遣は、自己が雇用している労働者ではない者を第三者へ派遣するため、形態としては職業安定法第44条の規定により禁止されている‘労働者供給事業’に該当することとなります。

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派遣元は、派遣元責任者を選任しなくてはなりません。派遣元責任者の職務は事業主に代わって派遣労働者へ対応するため、きわめて重要です。派遣元責任者になれるための主な要件は次のように定められています。

(1) 事業所専属の者として、派遣元の雇用する労働者のなかから選任すること(代表者でもよい)
(2) おおむね事業所の派遣労働者100人につき1人以上を選任すること
(3) 成年に達したあとに一定期間、雇用管理経験があること
(4) 「派遣元責任者講習会」を、許可申請前5年以内に受講した者であること

その後、派遣元責任者になってからの役割は次のとおりです。

(1) 労働者に派遣労働者として雇い入れる旨を明らかにすること
(2) 派遣労働者に就業の条件を明らかにすること
(3) 派遣する労働者の氏名や社会保険の加入状況などを派遣先に通知すること
(4) 派遣元管理台帳の作成、記帳および保存
(5) 派遣労働者に対して必要な助言および指導をすること
(6) 派遣労働者から申し出を受けた苦情の処理
(7) 派遣労働者の個人情報の管理
(8) 派遣労働者の安全衛生に関して、派遣元の安全衛生担当者および派遣先との調整
(9) 上記のほか、派遣先との連絡調整

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派遣労働者に時間外や休日に労働をさせるには、派遣元と派遣労働者とのあいだで36協定が結ばれていることが必要です。

36協定とは、法定労働時間を超えて従業員に労働をさせる場合に、‘過半数を超える従業員を組織する組合の代表、または従業員を代表する者’とのあいだで結ぶ、“時間外および休日労働に関する協定”のことです。

ただし、派遣元と派遣労働者とのあいだで36協定が結ばれていても、それだけでは、派遣先が派遣労働者に対し時間外・休日労働を命令できる根拠にはなりません。

派遣先が派遣労働者に時間外・休日労働を命令するためには、36協定の締結に加え、労働者派遣契約書や派遣労働者への労働条件明示書にも時間外・休日労働に関する事柄が記載されていることが必要です。したがって、派遣労働者に時間外・休日労働をさせる可能性がある場合には、派遣契約締結の際に、時間外・休日労働の有無と、それがある場合の時間数、時間外の料金の支払いについてを定めておく必要があります。

派遣先が派遣労働者に要求できる時間外や休日労働時間の上限は、派遣元の36協定に定められている時間となります。もし、36協定を上回る時間外労働をさせた場合は違法行為となり、派遣先事業所が処罰の対象となります。

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派遣労働者も、
(1) 6ヵ月以上継続して勤務していること
(2) 全労働日の8割以上出勤していること
という要件を満たしていれば有給休暇を取得することができます。

2ヵ月契約や3ヵ月契約といった短期契約の場合でも契約を更新して6ヵ月以上働いていれば、@の要件を満たします。また、派遣先が違っても、同じ派遣会社から派遣されて実質的に6ヵ月以上継続して働いていれば大丈夫です。

有給休暇付与についての責任は、派遣会社が負っています。有給休暇を取るときには、一般的には前日までに派遣会社に申し出ればいいことになっていますが、仕事の都合上、派遣先にも連絡するケースがほとんどです。しかし、派遣先の承認を得なければならないというのは違法です。

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派遣労働者も、雇用期間が2ヵ月以上であれば、社会保険に加入することができます。契約期間が1ヵ月であっても、更新して2ヵ月以上働いていればこれに該当します。また、勤務時間が短いケースでも、1日または1週の労働時間および1ヵ月の労働日数が、派遣先で同じような仕事をしている人の4分の3以上であれば、加入資格があります。

派遣労働者は、派遣会社で社会保険に加入します。また、社会保険料は、派遣会社と派遣労働者が折半して支払うことになっています。改正労働者派遣法では、派遣会社に、派遣労働者が社会保険・雇用保険に入っているかどうかを、派遣先に通知することを義務づけました。一方、派遣先に対しては、社会保険・雇用保険に加入している派遣労働者を受け入れることとしています。

ところが、派遣会社のなかには、社会保険に加入を希望する人は時給をカットする、という取り扱いをしている会社があるようです。これは、社会保険料の会社負担分を少しでも減らそうというもので明らかに違法行為です。

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派遣労働者も、要件を満たせば雇用保険に加入できます。社会保険と同様、派遣労働者は派遣会社で雇用保険に加入します。
雇用保険の加入要件は、次の2つです。

(1) 同じ派遣会社に1年以上引き続き雇用されることが見込まれること
(2) 1週間の所定労働時間が20時間以上であること

1年以上の雇用については、短期契約であっても更新して1年以上派遣されることが見込まれる場合を含みます。また、契約と契約の間が若干あく場合でも、その状態が1年以上続く見込みがあるならこれに該当します。“若干の間があく”とは、1ヵ月契約を数日間の間隔で繰り返すケース、2ヵ月程度の就労を1ヵ月以内の間隔で繰り返すケースのことをいいます。この場合、派遣先が変わっても差し支えはありません。雇用保険の適用は、派遣先ではなく派遣会社との雇用関係で判断されることになっています。

社会保険と雇用保険はセットでなければ入れないと言う派遣会社があるようですが、これは間違いです。雇用保険には単独で入れることになっています。

→ 労働者派遣事業コンサルティング


 
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派遣に先立って派遣先が行う面接は、雇用主が行う“採用”行為にあたり、労働者派遣法違反です。労働者派遣では、誰を派遣先に派遣するかの決定権は、あくまでも派遣会社にあるのです。

派遣会社は「スタッフの側も、事前に派遣先を見ておくほうがいいだろう」などと言いますが、実際には、3人面接を受けたが派遣されたのは1人だけ、というケースもあるのです。また、派遣先が複数の派遣会社にオーダーを出し、事前面接を行ってスタッフを選定するケースもあります。
改正労働者派遣法では、派遣先による「派遣スタッフの特定を目的とする行為」が明確に禁止されました。「特定を目的とする行為」とは、次のようなものをいいます。

(1) 労働者派遣に先立って面接すること
(2) 派遣先に派遣スタッフの履歴書を送付させること
(3)‘35歳まで’といった年齢限定注文をすることなど

なお、派遣会社がこれに協力する行為も禁止されています。

→ 労働者派遣事業コンサルティング


 
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派遣労働者が、派遣先に直接雇用されること自体は、なんら問題ありません。ただし、契約期間の途中で、派遣先の社員になるからと派遣会社との契約を打ち切ると、契約不履行としてクレームをつけられる可能性があります。したがって、契約期間満了まで待って、派遣会社に次回は更新しないことを伝えた後で派遣先と雇用契約を結ぶのがいいでしょう。

契約期間満了後の派遣先への雇用であっても、派遣会社は自社のスタッフを失いたくないために、これを妨害したりするケースがあるようですが、こうした妨害自体が違法行為です。労働者派遣法では、労働者派遣契約や雇用契約に、派遣スタッフが派遣先に雇われることを禁止する内容を入れることを禁じています。また、派遣会社が派遣先に対して、「もしスタッフを雇用した場合は損害賠償請求をする」と伝えていたケースがありましたが、当然のことながらこれも違法行為です。

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派遣先から、さらに別の企業に派遣され、その企業の指揮命令を受けて働くことを“二重派遣”といいます。

労働者派遣とは「自ら雇用する労働者を派遣先の指揮命令下で働かせることをいい、かつ派遣先がその労働者を雇用しないものをいう」と定義されています。派遣先が別の企業(第二の派遣先)にスタッフを派遣する行為は、職業安定法で禁止されている‘労働者供給’にあたります。労働者供給を行った派遣先も受け入れた第二の派遣先も処罰を受けます。また、二重派遣がなされることを知ったうえで派遣した派遣会社も処罰されます。

この処罰を受けることを避けようと、派遣先から第二の派遣先へ派遣する際に「業務委託」という形をとるケースを見受けます。しかし、第二の派遣先の指揮命令を受けて働くならば、それは業務委託を偽装したもので、労働者供給以外のなにものでもありません。

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労働者派遣法においては、専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供することを目的として行われる労働者派遣事業を禁止しています。

一般労働者派遣事業については、専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供することを目的として行われるものでないことを許可基準としており、これを満たさない場合は一般労働者派遣事業の許可を受けることができません。また、許可基準として「専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供することを目的として行うものではないこと」を付していることから、これに違反した場合には許可の取消し、業務停止命令の対象となります。

ここで「特定の者」とは、一つであると複数であるとを問わず対象が特定されていることをいいます。また、「専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供することを目的」としているかどうかについては、定款等の事業目的だけでなく、派遣先の確保のための営業活動の努力が行われているか、特定の者以外からの労働者派遣の依頼を正当な理由なく拒否していないか等、事業運営の実態に照らし、客観的に判断されます。

ただし、労働者派遣事業を行う派遣元事業主が雇用する派遣労働者のうち、10分の3以上が60歳以上の者(ただし、他の事業主の事業所を60歳以上の定年により退職した後受け入れた者に限る)である場合には、雇用の機会の確保が特に困難であると認められる労働者の雇用の継続等を図るために必要であるとして、「専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供すること」が認められており、このような場合には、厚生労働大臣の勧告の対象にもなりません。

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派遣期間満了後の取り扱いは次のようになっています。

(1) 派遣先は、派遣元事業主から派遣可能期間について通知を受けた派遣期間満了日後に使用したいとき、また、派遣労働者が派遣先に対して雇用されることを希望する者の場合は、派遣先は派遣労働者に対して雇用契約の申込みをしなければならない。

(2) 派遣先は、派遣先の事業所又はその他の派遣就業の場所ごとの同一の業務について、派遣元事業主から3年を超える期間継続して同一の派遣労働者に役務の提供(勤務)を受けている場合は、当該同一の業務に労働者を従事させるため、3年が経過した日以後労働者を雇い入れようとするときは、その労働者に対し、雇用契約の申込みをしなければならない。

したがって、派遣先は3年を超えて使用しているときは十分に注意し、うっかり超えることのないようにあらかじめチェックしなければなりません。

派遣先の事業主としては、派遣期間を3年以内の期間で必要な期間契約して、派遣労働者の派遣を受け入れればよいのですが、その期間について3年を超えて派遣することはできません。

したがって、万一3年を超えて派遣労働者を使用した場合、社員として採用することが義務付けられていることを忘れてはなりません。

→ 労働者派遣事業コンサルティング


 
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派遣労働者の就業時間等の管理は派遣元事業主が行うことから、就業規則の作成は派遣元事業主が行うこととなります。したがって、派遣労働者とそれ以外の労働者を合わせて常時10人以上の労働者を使用している派遣元事業主は、就業規則を作成しなければなりません。

就業規則に定める事項は次のとおりです。

(1) 始業及び終業の事項、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項
(2) 賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
(3) 退職に関する事項(解雇の事由を含む)
(4) 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
(5) 臨時の賃金等及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項
(6) 労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項
(7) 安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項
(8) 職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項
(9) 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項
(10) 表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項

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派遣先は、派遣先において労働者派遣された派遣労働者に関する就業の管理を一元的に行う派遣先責任者を選任し、派遣先における派遣労働者の適正な就業を確保することが必要です。

派遣先は、派遣先責任者の選任に当たっては、労働関係法令に関する知識を有する者であること、人事・労務管理等について専門的な知識又は相当期間の経験を有する者であること、派遣労働者の就業に係る事項に関する一定の決定、変更を行い得る権限を有する者であること等派遣先責任者の職務を的確に遂行することができる者を選任するよう努めなければなりません。

また、派遣先責任者は、次の方法により選任しなければならないこととなっています。

● 事業所その他派遣就業の場所ごとに専属の派遣先責任者として自己の雇用する労働者の中から選任しなければなりません。

● 派遣労働者の数100人ごとに1人以上を選任しなければなりません。ただし、派遣労働者の数とその派遣先が雇用する労働者の数を加えた数が5人以下のとき又は労働者派遣の期間が1日を超えない場合については、選任する必要はありません。

● 物の製造の業務に50人を超える派遣労働者を従事させる事業所では、原則として、物の製造の業務に従事する派遣労働者100人当たり1人以上、物の製造の業務に従事する派遣労働者を専門に担当する派遣先責任者(製造業務専門派遣先責任者)を選任しなければなりません。ただし、製造業務専門派遣先責任者のうち1人は物の製造の業務以外の業務に従事する派遣労働者を併せて担当することができます。

なお、派遣先責任者を選任しなかった場合は、労働者派遣法第61条第3号に該当し、30万円以下の罰金に処せられる場合があります。

→ 労働者派遣事業コンサルティング


 
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派遣元事業所における適正な雇用管理及び事業運営の適正化に資するため、派遣元責任者に対し、労働者派遣法の趣旨、派遣元責任者の職務、必要な事務手続き等についての知識、情報を提供する「派遣元責任者講習」が実施されています。

派遣元事業所における派遣労働者の雇用管理の責任を一元的に負うこととなる派遣元責任者については、労働者派遣事業に関する知識、理解が十分であることが必要です。そこで、一般労働者派遣事業の許可基準において、派遣元責任者については派遣元責任者講習を許可申請の受理の前5年以内に受講していることが必要となっており、また、これは有効期間の更新の際にも同様となっています。

さらに、派遣元責任者として選任された後においても、労働者派遣事業に関する知識、理解を一定の水準に保つため、一般労働者派遣事業において選任された派遣元責任者については、派遣元責任者として在任中は5年ごとに派遣元責任者講習を受講すること、特定労働者派遣事業において選任された派遣元責任者についても可能な限り当該講習を受講することが望ましいとされています。

派遣元責任者講習は職業安定局長が委託した機関によって、全国各地域で実施されています。内容は労働者派遣法の趣旨、派遣元責任者の職務、必要な事務手続き等についての知識、関係法令の適用等であり、講習の対象は派遣元責任者、派遣元事業主、派遣元責任者として選任されることを予定する人で、講習期間は1日です。

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日数限定業務とは、その業務が1ヵ月間に行われる日数が、当該派遣就業に係る派遣先に雇用される通常の労働者(原則として正規の従業員)の1ヵ月間の所定労働日数の半分以下、かつ、月10日以下である業務をいい、日数限定業務に該当する場合には、派遣受入期間の制限なしに労働者派遣を受けることができます。

日数限定業務に該当するためには、その業務が、通常の労働者の1ヶ月間の所定労働日数の半分以下、かつ、月10日以下しか行われない業務であることが必要です。したがって、「通常の労働者の1ヶ月間の所定労働日数の半分以下、かつ、月10日以下」を超える日数行われている業務を分割又は集約し、その一部を「通常の労働者の1ヶ月間の所定労働日数の半分以下、かつ、月10日以下」となる範囲において派遣労働者に従事させ、他の日は派遣先に雇用されている従業員のみで対応するような場合は、日数限定業務には該当せず、派遣受入期間の制限を受けることとなります。

例えば、月15日発生する業務について分割し、月10日間を派遣労働者に従事させ、残りの月5日間を派遣先に雇用されている従業員に行わせるような場合は、その業務は月15日間行なわれていることから、日数限定業務に当たりません。

なお、日数限定業務に該当する業務としては、例えば、書店の棚卸し業務や、土日のみに行われる住宅展示場のコンパニオンの業務などが想定されます。

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派遣受入期間の制限のある業務について、1年を超えて3年以内の期間、労働者派遣を受けようとする派遣先は、あらかじめ、派遣先の労働者の過半数で組織する労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴いたうえで、派遣受入期間を定めなければなりません。

意見聴取の際、派遣先は過半数組合等に、次に掲げる事項を書面により通知しなければなりません。

(1) 労働者派遣の役務の提供を受けようとする業務
(2) 労働者派遣の役務の提供を受けようとする期間を新たに定める場合にあっては、当該業務に労働者派遣を受けようとする期間及び開始予定時期

また、派遣先は、当該派遣受入期間を定めるに当たっては、次に掲げる事項を書面に記載し、当該労働者派遣の終了の日から3年間保存しなければなりません。

(1) 意見を聴取した過半数労働組合の名称又は過半数代表者の氏名
(2) 過半数組合等に通知した事項及び通知した日
(3) 過半数組合等から意見を聴いた日及び当該意見の内容
(4) 意見を聴いて、労働者派遣の役務の提供を受けようとする期間又は変更しようとする期間を変更したときは、その変更した期間

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日常的に「派遣」や「派遣店員」と呼ばれる労働者のすべてが派遣法上の派遣労働者に該当するわけではありません。例えばデパートやスーパーなどで販売業務を行なう派遣店員と呼ばれる労働者がいますが、これらの多くは派遣労働者ではありません。

というのは、これらの派遣店員は、派遣元の製造販売会社から派遣されるといっても、派遣先等のデパート等の指揮命令に従って就労しているわけではないからです。その多くは、直接派遣元会社の指示命令に従って販売業務を行なっており、派遣先とされるデパートは販売スペースを製造販売会社に賃貸(いわゆるケース貸し)しているにすぎません。したがって、これらの派遣店員とデパートとの間には指揮命令関係がありませんから、派遣法上の労働者派遣には該当しません。

ただし、本来の業務に関連してあるいはそれに無関係な業務について応援要請を受けるなど、デパートなどの派遣先から直接指示命令を受ける場合には、労働者派遣に該当しますから注意が必要です。

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  派遣元による派遣労働者の教育訓練
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派遣労働者が派遣で働き続けるためには、教育訓練を受け職業能力を向上させることが必要不可欠です。このため、派遣元事業主は、派遣労働者に対して「教育訓練の機会を確保」するため、必要な措置を取るように努力しなければなりません。

また、派遣元は許可を受けようとする際に事業計画書を提出しますが、この事業計画書のなかには、教育訓練に関する計画が含まれています。そもそも一般労働者派遣事業が許可される際には、派遣労働者に対する適切な教育訓練計画が策定されているかどうか、教育訓練の施設・設備等の整備、教育訓練の実施について責任者が配置されているかどうかなどが、チェックされます。これらの教育訓練の施設や計画が整備されていないと、一般労働者派遣事業として許可を得ることができません。

これらの規定にもとづき、派遣元がパソコンの操作、ビジネスマナー、あるいは英会話などさまざまな教育訓練の機会を提供し、それを派遣労働者に義務づけた場合には、その費用は派遣元が負担し、派遣労働者から徴収することはできません。ただし、派遣労働者が自発的に教育訓練を行なった場合には、派遣元はその費用を負担する必要はありません。

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  正社員が新たに派遣労働を命じられたら?
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派遣労働ではなく通常の労働形態を予定して採用され、その後も派遣労働に従事していない労働者を新たに派遣労働の対象とするときは、派遣労働者の対象となることが事前に明示され、それに対して労働者が同意することによってはじめて可能となりますし、紹介予定派遣の場合についてもその旨の明示と同意が必要です。そして、この同意は、労働協約や就業規則等によって規定を新設しただけでは足りず、新たに労働者派遣の対象とする際に、個別の労働者の同意が必要であるとされています。

行政解釈は、これは公法上の規制であって労働契約等を直接規律するものではないとしていますが、派遣労働者か否かということは労働者の本質的な「地位」の問題であって、労働契約の重要な要素ですから、そもそも労働協約や就業規則等の集団的な労働条件の決定システムになじまない性格をもっています。したがって、労働協約や就業規則等によって派遣労働者の対象とするような規定を変更したとしても、それだけでは労働者を拘束せず、個々の労働者の同意があってはじめて効力が生じると解すべきです。

つまり、正規の就業に就いている労働者(正社員)が派遣労働に同意しないのならば、使用者は労働者派遣を命じることはできませんし、労働者はこの打診を拒否することができます。また、使用者は同意が得られなかった労働者を、そのことを理由として解雇するなど不利益に取り扱うことも許されません。

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  医療関連業務に係る労働者派遣
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平成18年4月1日から医療関連業務に係る労働者派遣が変わりました。

1.改正の概要

改正前

病院等において医師、歯科技師、看護師等が行う医療関連業務については、紹介予定派遣が行われる場合を除き、労働者派遣が禁止されていました。

・「労働者派遣の対象とならない施設の例」(労働者派遣できない施設)
 病院、診療所、助産所、介護老人保健施設、医療を受ける者の居宅 など

・「労働者派遣の対象となる施設の例」(労働者派遣できる施設)
 養護・特別養護・軽費老人ホーム、老人デイサービスセンター、老人短期入所施設、老人介護支援センター など

改正後

以下の場合は、労働者派遣が認められるようになりました。

a 産前産後休業、育児休業又は介護休業中の医療関係労働者の業務

代替要員の確保の必要性が高く、また、派遣期間が労働者の産前産後休業、育児休業又は介護休業等を取得している期間に限られ、常用代替のおそれがないこと等から、代替要員の確保のための選択肢の一つとして労働者派遣が認められることとなりました。

b へき地にある病院等において行われる医業

医師の地域的な偏在等により医師の確保が困難となっており、医師の確保のための選択肢の一つとして医師の労働者派遣が認められることとなりました。

 

※医業について医師の労働者派遣を行うことが可能なへき地の範囲

以下の a のいずれかの地域をその区域内に含む b の厚生労働省令で定める市町村です。

a へき地
ア 離島振興法に指定された「離島の区域」
イ 辺地法に規定された「辺地」
ウ 山村振興法に規定された「振興山村の地域」
エ 過疎地域自立促進特別措置法に規定された「過疎地域」

b 厚生労働省令で定める市町村(例:群馬県の場合)
ア 市 …… 高崎市、桐生市、沼田市、渋川市、藤岡市、安中市、みどり市
イ 勢多郡 …… 富士見村
ウ 多野郡 …… 上野村、神流町
エ 甘楽郡 …… 下仁田町、南牧村、甘楽町
オ 吾妻郡 …… 中之条町、長野原町、嬬恋村、六合村、高山村、東吾妻町
カ 利根郡 …… 片品村、川場村、昭和町、みなかみ町

 

2.派遣期間の制限

(1) へき地にある病院等に医師を派遣する場合

派遣先は、原則1年、最長3年を超えて継続して派遣就業の場所ごとの同一の業務に労働者派遣を受けることはできません。1年を超えて、最長3年まで派遣を受けようとする派遣先は、あらかじめ派遣先の労働者の過半数で組織する労働組合等に対し、派遣業務、期間及び開始予定時期等を通知し、十分な考慮期間を設けた上で意見を聴き、派遣受入期間を派遣元に通知をすることが必要です。

(2) 産前産後休業、育児休業又は介護休業中の医療関係労働者の業務に派遣する場合

派遣先は労働者が休業中の期間のみ派遣を受けることが可能であり、原則1年の期間制限の対象とはなりませんが、派遣期間は当該休業の期間に限られます。

3.病院等における医療関連業務に派遣労働者を受け入れる際の留意点

(1) 派遣元事業主

派遣労働者からの相談・苦情等に適切に対応し得る体制(医療関係の専門的なスタッフの配置等)を整えることが必要です。また、雇用管理、教育訓練を適切に実施することやへき地の病院等に医師を派遣する場合は、都道府県の「へき地医療支援機構」等を利用した事前研修を最低6時間以上実施することが必要です(ただし、へき地に1年以上の勤務経験を有する者等は除きます)。

(2) 派遣先事業主

派遣労働者と直接雇用の医師・看護師等の医療職等の相互の能力把握や意思疎通が十分になされるよう必要な措置を講ずることや派遣労働者からの苦情・相談等に適切に対応し得る体制を派遣先責任者の活用等により整えることが必要です。また、へき地に派遣される医師の事前研修修了証明書の確認や派遣労働者の教育訓練・能力開発等の機会確保に努めることが必要です。

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  常用型派遣の場合の派遣先拒否
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常用型派遣の場合でも、契約締結当初から一定の地域に限って派遣先の紹介を受けることになっていたり、遠隔地の派遣を受け入れることが困難であるなどの特別な事情がある場合には、その派遣先の派遣を拒否することが可能です。

登録型の場合は、派遣先が決まる都度、派遣労働契約が締結されますから、派遣先が気に入らない場合には、それを拒否しても特に問題は生じません(派遣元に雇用されないだけ)。これに対し、常用型派遣の場合は、派遣元と派遣労働者との間にすでに雇用関係が成立しており、派遣元の指示に従って当該派遣先に派遣されることになりますから、原則として派遣元が指定した派遣先での就労を拒否することはできません。

とはいっても、派遣元の命令がどのような場合でも許されるわけではありません。つまり、一定の地域に限って派遣先を紹介することになっている場合には、派遣元は派遣労働者に対してその範囲を超える派遣先での就労を命じることはできませんし、また、指示された派遣先がその地域内に含まれている場合でも、「通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるようなものであるとき」には、当該労働者派遣の命令は派遣元による指揮命令権の濫用として無効であるとも考えられます。

 

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  整理解雇(リストラ)後の労働者派遣の受け入れ
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リストラを進めている職場を派遣先として就業させることは危険です。派遣先職場の情報を収集し、少なくとも派遣先に直接雇用されて働く労働者に労働者派遣の受け入れが理解されているのかどうかを確認すべきです。

派遣先指針第2の16によると、雇用整理により解雇した労働者が就いていたポストに当該解雇後3ヵ月以内に派遣労働者を受け入れる場合には、必要最小限度の労働者派遣の期間を定めるとともに、当該派遣先に雇用される労働者に対し、労働者派遣の役務の提供を受ける理由を説明する等、適切な措置を講じ、派遣先の労働者の理解が得られるよう義務づけられています。したがって、解雇後3ヵ月以内は、派遣先の労働者が反対しているのに派遣を受け入れるとなれば、厚生労働大臣の助言・指導・勧告の対象となりますし、そうでなくとも働く期間は必要最小限度に制限されますので、派遣労働者の雇用は不安定になります。

このような定めが盛り込まれたのは、第1に雇用整理後に雇用対象労働者の代替要員として労働者派遣を受け入れることを許せば、整理解雇が広がって、常用代替の防止を目的とする労働者派遣法の趣旨に反すること、第2にそのような職場に派遣労働者が派遣されたときには、派遣先に雇用される労働者の理解を得られず、人間関係上のトラブルに巻き込まれることになりかねないからです。

労働者派遣法では、ストライキや事業所閉鎖など争議行為中の職場への労働者派遣を禁止しています。また、ストライキに突入する前の段階であってもストに突入する可能性の高い争議行為が行なわれた場合に、労働者派遣が行なわれたときには争議の解決が妨げられることを地方労働委員会が職業安定所に通報したときにも労働者派遣は禁止されます。

 

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  派遣労働者への労災補償責任
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派遣労働者にも派遣元の責任で、労働者災害補償保険制度を根拠とした補償が認められています。派遣先は、労働安全衛生法に定める一定の責任を負担しますが、労働基準法上定められた労災補償責任は派遣元事業主が負担します。そして、労災保険関係は派遣元事業主との間で成立し、派遣元は、労災保険料を支払って保険に加入する義務を負います(強制加入)。

もし、派遣労働者が、業務に起因するけがや病気に見舞われたときは、労災補償の手続きをとることができます。けがをしたり病気になった経過などを書面に記載し、労働基準監督署に給付を申請します。このとき、使用者である派遣元の証明が必要ですが、派遣元が証明しようとしないときは、その旨を説明して労働者が事故などの発生状況を記載し、申請の手続きをとることができます。仮に派遣元が労災保険料を支払っていなくても、手続きをすれば補償を受けることができます。

他方、派遣先は、派遣労働者に対して直接契約関係に立つものではありませんが、労働者派遣契約によって譲渡ないし賃貸を受けた指揮命令権の行使にともなう義務として、労働者の安全を配慮する債務を負担するものと考えられます。派遣先は労働基準法上の労災補償義務は負わなくとも、労働者の健康や生活を配慮して、就業環境を整備し、指揮命令権を行使すべき労働関係上の義務を負担していますので、そうした義務を怠ったことによってけがや病気が発生したときは、民事上の賠償責任を負担します。

この損害賠償責任と労働基準法上の労災補償責任とは法的性格のまったく異なるものではありますが、給付金額は相互に調整されることになっています。

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  派遣先の雇用努力義務と雇入れ勧告
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派遣先が1年以上の期間、同一業務に同一の派遣労働者を継続して受け入れた場合に、期間終了後に派遣先が同じ業務に労働者を雇い入れようとするときは、当該派遣労働者を雇い入れるよう努力する必要があります。

派遣先は、労働者派遣の受け入れ期間の制限(最長3年)を超えて同一業務に派遣労働者を継続して就労させることはできません。しかし、派遣先が設定した受け入れ期間(1年以上3年以内の派遣可能期間)の終了した後に同じ業務について、新たに労働者を採用しようとする場合には、派遣労働者の常用雇用への移行を促進するという観点から、派遣先に対して当該同一の派遣労働者を優先的に雇用すべきとの努力義務が課せられています。

派遣労働者が1年以上の派遣可能期間、同一業務に継続的従事した場合で、当該派遣労働者が当該派遣労働期間の経過した日までに派遣先に雇用されたい旨を申し出て、かつ当該期間の経過した日から7日以内に派遣元との雇用関係が終了した場合には、派遣先は当該派遣労働者を雇い入れるよう努めなければなりません。

ただし、この努力義務は1年以上の期間継続して同一業務に従事した派遣労働者に関するものですから、その派遣期間の途中に派遣労働者が代わったり(例えば派遣期間が1年半の場合で、最初の9ヶ月をAさんが、続く9ヶ月をBさんが派遣先で働いた場合)、当該派遣労働者の業務が変わったりした(Aさんが最初の9ヶ月を事務機器操作に就いた後に、残りの9ヶ月は受付業務に従事していたような)場合には、この努力義務は発生しません。また、これはあくまでも努力義務ですから、派遣先が他の労働者を採用する予定の場合は、当該派遣労働者を雇い入れなくても法違反とはいえません。

しかし、派遣先が派遣可能期間の経過した後も、同一業務に派遣労働者を継続して受け入れてしまった場合には、受け入れ期間の制限に違反しますから、今度は厚生労働大臣による雇入れ勧告の問題になります。この場合に、厚生労働大臣(実際には都道府県労働局長または職安所長)は、派遣先が受け入れ期間の制限を超えて同一業務に派遣労働者を継続して使用しているときには、当該派遣先に対して当該派遣労働者を雇い入れるよう指導・助言し、さらには勧告をしたにもかかわらず、この雇入れ勧告に従わない場合には、それを公表することができます。

ただし、当該期間制限を超えて継続して働く派遣労働者は同一の派遣労働者である必要はなく、受け入れ期間の制限に違反した時点で就労している派遣労働者について雇入れ勧告が行なわれます(例えば派遣期間が2年の場合でAさんが1年半の間就労した後、Bさんがそれを継続して半年しか就労していない場合でも、派遣の期間制限を超える時点で就労しているBさんに対して雇入れ勧告が行なわれます)。

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  派遣先の雇用努力義務と雇入れ勧告
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受け入れ期間の制限のない(26業務)労働者派遣の場合でも、3年を超えて継続して同一の派遣労働者を受け入れている場合には、派遣先は、当該同一業務に労働者を雇い入れようとするときには当該派遣労働者に対して雇用契約の申込みをしなければなりません。この申込みをしなかった場合には、厚生労働大臣は指導・助言し、なお違反があるまたはそのおそれがある場合には、派遣先に対して雇用契約の申込みをすべきことを勧告し、その勧告に従わない場合には、その旨を公表することができます。

ただし、当該同一業務に労働者を雇い入れようとする場合ですから、3年経過後も同じ業務について引き続き同一または他の派遣労働者を受け入れる場合には、この雇用義務は発生しません。つまり、同じ仕事に派遣労働者を引き続き使用する限りは、この3年を超えても派遣労働者を雇い入れる必要はなく、いつまでも労働者派遣を利用することができます。

また、この雇用契約の申込み義務が発生した場合でも、雇用の形態については、特に制限はなく、必ず常用雇用=正社員として雇い入れる必要はありませんから、有期のパートやアルバイトとして雇い入れることも可能です。しかし、すでに当該同一業務に別の正社員を採用して、派遣労働者には有期の雇用契約の申込みをすることは法第40条の5に違反すると解されます。

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・・・・・派遣ビジネス経営実務 ・・・・・
 
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派遣システムは派遣元、派遣先、派遣スタッフの三者関係で成り立っているため、不安定な関係にあり、問題が起こりやすくなっています。トラブルとして多いものに「派遣元の対応に関するもの」「契約期間に関するもの」などがあります。

派遣労働関係には2つの契約が介在します。1つは派遣元と派遣先との間で交わされる“労働者派遣契約”、そして、もう1つは派遣元と派遣スタッフの間で交わされる“派遣労働契約”です。中途解約の問題のほとんどは、派遣先が何らかの事情で労働者派遣契約の解約を申し出たために、その派遣契約をベースに派遣元が派遣スタッフと締結していた派遣労働契約を解約しようとするときに発生します。派遣元はベースとなる派遣契約が解除されたのだから派遣労働契約を解除するのも当然だと考えるかもしれませんが、これら2つの契約は別個のものです。

2つの契約の間に密接な関係が存在することは否めませんが、派遣契約が解除されたからといって、自動的に派遣労働契約が解除されるものではありません。期間の定めのある雇用契約(=派遣労働契約)の場合、契約期間中はやむを得ない事情がない限り、解除できず、当事者の一方の過失によって契約を解除したときは、損害賠償の責任を負うというのが民法の原則です。この点をきちんと理解していないと、トラブルとなってしまいます。不幸にして派遣契約の解除が発生したとき、派遣元はスタッフに対し別の仕事を紹介しなければならず、それができない場合は、休業手当(平均賃金の60%)を支払う必要があります。

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派遣会社の経営上のメリットとは何でしょうか。

第一に、派遣事業は“固定費”を抱えないですむというメリットがあります。派遣スタッフの仕事がなければ、給料を支払わなくてよいからです。(ただし、特定労働者派遣事業の場合は、そうとはいきません)景気が悪化して派遣先のオーダーが入らなくなればそれはもちろん厳しい経営環境をむかえることにはなりますが、在庫を抱えないですむために、不況倒産という悲劇はあまり例がありません。もちろん、経営者の放漫経営などが直接の引き金となって廃業に追い込まれることはありますが…。

第二は、事業に時代性があるというメリットです。バブル不況以後の産業界はリストラを行い、組織のスクラップ・アンド・ビルドは進展しています。そうした中で、仕事における常用労働者と非常用労働者との区別が明確となってきています。非常用労働者の確保で、派遣会社に依存するケースは増加する一方だろうと思われます。また、働く側の就業意識も多様化してきて、非常用労働を求める人も増えています。

第三として、事業に社会的意義があるというメリットです。派遣システムが企業のリストラに側面的にプラスになっていて、かつ、雇用の促進にも貢献しています。雇用流動化時代にあっては、派遣で働くしくみはその意味で大いに威力を発揮しつつあります。それに何より、多くの派遣スタッフが「派遣」というしくみを支持しています。今や、派遣は社会になくてはならない制度になっています。

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  実務で役立つ文書契約の進め方
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派遣のしくみは、派遣先、派遣元、派遣スタッフの三者で構成されています。すなわち、派遣スタッフは派遣元と派遣労働契約(雇用契約)を交わし、派遣先と派遣元との間で締結される労働者派遣契約にしたがって派遣先事業所に配属され、派遣先の指揮命令にしたがって業務の処理を行ないます。

派遣スタッフの雇用主は派遣元ですが、指揮命令を出すのは派遣先です。雇用上の問題の一切は派遣元が負い、仕事の進め方と日々の管理、評価については派遣先がその責任を負うことになります。派遣先、派遣元が派遣スタッフの使用と雇用を役割分担するわけですから、双方の密接な連絡と協力が求められます。

派遣を受け入れるにあたって、派遣先は派遣元との間で労働者派遣契約を取り交わさなければなりません。契約書の書式は派遣元によってさまざまですが、契約の内容は労働者派遣法で定められており、全て同一です。次に契約と管理に必要な手続きや心得を、派遣先を中心にして説明していきます。

◆ 労働者派遣契約の手順

(1) 基本契約を取り交わす
  基本契約について法律の定めはありませんが、商取引上で派遣先、
  派遣元双方が文書で確認しておいた方がよい場合に取り交わします。

(2) 労働者派遣契約書を取り交わす
  労働者派遣契約書の書式は通常の契約書と同様です。
  ただし、記載すべき内容は労働者派遣法で定められています。

 [労働者派遣契約書に記載すべき主な内容]
 ・ 派遣労働者が従事する業務の内容
 ・ 派遣労働者が労働者派遣に係る労働に従事する事業所の名称及び所在地
 ・ 労働者派遣の期間及び派遣就業をする日
   など

(3) 派遣先の責任者を選定する
  派遣システムを適正に機能させる上で、派遣元同様、
  派遣先に対しても責任者を置くことを法律で定めています。
  派遣先責任者は企業の規模などにもよりますが、人事課長またはそれに準ずる人がその任にあたり、
  派遣スタッフの就業管理を行っています。

◆ 管理の手順

(1) 派遣先管理台帳の整備と管理を行う
  派遣先は人材派遣を導入する際に「派遣先管理台帳」を作成する必要があります。
  様式の指定は特になく、派遣元が派遣先用に作成した管理台帳の用紙を用意しているケースが
  多いようです。また、3年間の保存義務があります。

(2) 就業現場の指揮命令者を選考する
  派遣契約を締結すれば、派遣されたスタッフを有効に活用する指揮命令権が派遣先に発生します。
  この場合、業務処理を就業規則で直接指導する担当者を「指揮命令者」と呼んでいます。
  通常、スタッフが直接派遣される現場の課長、係長クラスが担当します。

(3) 指揮命令者も契約内容を確認する
  派遣スタッフに契約以外の仕事をさせてしまうと違法行為となり、トラブルの原因となりかねません。
  契約に定めた業務に付随する、いわゆる、“周辺業務”の指示は程度の問題と解釈されますが、
  全く異なる仕事を命じて、それが派遣契約で明示した仕事の量を大幅に上回る場合には、
  問題が生じかねません。したがって、指揮命令者も契約内容をよく確認しておく必要があります。

◆ 派遣スタッフへの就業条件の明示

  派遣元は、派遣が決定した派遣スタッフに対し、労働者派遣をする旨およびその派遣スタッフに係る就業条件を
  明示しなければなりません。明示すべき主な就業条件は次のとおりです。

 ・ 派遣労働者が従事する業務の内容
 ・ 派遣労働者が労働者派遣に係る労働に従事する事業所の名称及び所在地
 ・ 労働者派遣の期間及び派遣就業をする日
   など

  就業条件の明示は、労働者派遣に際し、あらかじめ、明示すべき事項を書面に記載し、
  その書面を個々の派遣労働者に交付することにより行わなければなりません。

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  人材派遣会社の成功のポイント
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◆ 「百貨店方式」から「専門店方式」へ

大手派遣会社のような「派遣なら何でも対応します」という「百貨店方式」ではなく、特定の業務に特化した「専門店方式」を考える必要があるでしょう。ただ、専門特化した場合にはメリットもデメリットもあります。メリットは、特徴という点で同業他社との差別化が明確となり、顧客に対するアピールは強力になります。デメリットは売上高が百貨店方式と比較して伸びにくいという点です。しかし、特に専門性の高い業務を取り扱う専門店方式の場合、派遣料金を高めに設定することもできますし、高いクオリティーが評判になれば、売上高、利益率とも伸びてきます。実際、アメリカで近年注目されている派遣会社の多くは、専門店方式の会社です。

◆ 「受注型営業」から「提案型営業」へ

人材派遣会社の収益のシステムは仕入れと販売にあります。仕入れとはスタッフ募集であり、販売とは派遣先の確保です。派遣事業はまず「仕事ありき」からスタートします。派遣先の仕事が発生してそれを処理するスタッフを募集して配置するという手順だからです。ゆえに、仕事開拓の営業社員の成否が売上高をあげるキー・ポイントとなります。これまではフットワークのよい営業社員が一日何十件という派遣先を訪問して受注する営業が主流でしたが、同じ手法で営業開拓しても始まらないという考えが芽生えてきました。すなわち、派遣先の派遣活用事例を体系化して、それをサンプルにセールスするという提案型営業です。その方が顧客にはわかりやすいというメリットがある反面、派遣元としては需要を創出する点でメリットがあります。

◆ 60歳以上の高齢者の活用

信販会社の督促部門に高齢者を活用している事例があります。督促業務はほとんどが電話を利用するデスクワークなので、体力はいらないし電話でのやり取りはベテランだけにうまく、まさにうってつけです。小さいスペースで掲載する募集広告にたくさんの高齢者が応募してくるため、採用にかかるコストも安上がりというメリットもあります。事務部門のスタッフというと「女性スタッフ」というのは誤りで、コストダウンを図り、高齢者の雇用促進という社会的意義を満足させる商品作りは知恵の差といえるでしょう。

◆ 派遣先メリットの具体的実現

派遣先が派遣を受け入れるメリットとは、第一に、常用社員と比較した場合のコストメリットであり、第二に、雇用責任が軽減されるメリットです。しかし、派遣の受入れ人数が増えていくとやはりコストメリットはあまりないことに気づき、その打開策が必要になってきます。ある派遣先に派遣しているA社が特定の仕事を処理するのに10人を要していたのを8人で対応可能な提案を行い、実際に業務分析を行って2人の減員を実現させたB社などは派遣先のメリットを具体的に実現させたよい例です。オーダーのすべてを派遣先に委ねず、自ら研究して顧客満足を図らなければなりません。

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  人材派遣会社の経営のしくみ
目次
 
 
 

人材派遣会社の経営のしくみは大きく分けて、“販売部門”、商品の“仕入部門”、請求・仕入管理や社員の給与管理を行う“業務部門”の3部門で成り立っています。

◆販売部門

この部門は配属された営業担当者が、日々、派遣活用を勧めるための顧客開拓と増員拡大を目的とした取引継続中の既存顧客フォローに動き回っている部門です。営業担当者として新卒を採用する派遣会社もありますが、スタッフとの人間関係構築力が必要であったり、顧客である企業の人事部がそれなりの役職を持った人たちでもあるので、新規開拓といえどもそこそこの年齢の営業担当者が必要となります。通常、営業担当者は新規開拓をしながら取引の始まった企業のフォローも行い、その担当数は2けたに上る場合もあり、また、営業担当者の業務経験年数によってその担当件数に差が生じると考えられます。既存顧客フォローでは派遣先担当者にスタッフの評価や増員の予定はないかなどを取材したりします。そのついでに就業中のスタッフにも顔を出して「がんばってますか」などと声をかけるケアも忘れてはなりません。

◆仕入部門

この部門で働く人たちは、コーディネーターやカウンセラーと呼ばれています。派遣スタッフと派遣先とをコーディネートしたり、派遣スタッフがこのシステムで働く上での悩みをカウンセリングするなどの意味でこのように呼ばれています。この部門で働くコーディネーターの多くは女性で、20代半ばから30代後半までの女性が大半を占め、登録面接を通してスタッフのキャリアや指向を判断したり、営業担当者が受注した派遣先希望との折衝を図ったりしています。また、コーディネーターは登録予備軍からの電話問い合わせとその予約、面接インタビューとスキルチェックなどもこなしています。さらに、スタッフ募集記事作成にあたっては広告代理店との折衝もこの部門が行うことが多いようです。

◆業務部門

この部門は、一般企業でいえば人事、総務、請求と支払い管理といったところでしょうか。担当業務は大きく分けて3つあります。

1. 請求管理

つまり、派遣スタッフがつけるタイムシートの管理です。

2. 給与管理

タイムシートを基にした給与の管理です。タイムシートはそれぞれ派遣会社が独自のフォーマットで作成しており、4枚つづり(1.スタッフの控え 2.派遣先の控え 3.派遣元の控え 4.請求書に添付するための控え)になっているケースが多いようです。

3.行政への諸手続き事務

許可申請手続きは派遣事業開始の時に行われていますが、この事業にはその他にも法律で定められた事業報告と更新手続きがあります。

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  中高年派遣と女性の就業支援
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■シニア派遣

これまで、派遣スタッフは、年齢制限はないものの、結果的に20代後半から30代前半が主流でした。派遣先企業のニーズや要求水準、労働者のニーズや意識の点から、それが妥当だったともいえます。しかし、状況は変わりました。豊富な実務経験や人生経験、管理能力、コミュニケーション能力、マナーや常識が求められる職種や立場、そして、高い専門的技術や知識の必要性が認められるようになったからです。ときには、派遣先企業から組織の潤滑油や若年者の指導者、管理者、相談員としての役割を期待され、40歳以上のスタッフが望ましいとの要望さえあります。特に一部のベンチャー企業のようにアイデアや企画力に優れていても、管理、運営面に不安を抱えている企業にとって、その存在は得がたいものです。

さらに、2007年問題の存在により、定年を迎える団塊世代の多くは登録スタッフとしての可能性を持ち、それらの世代を一気に失う企業側には、そのニーズがあるということになります。それを好機ととらえ、行動を起こすことができれば、派遣会社、派遣先企業、派遣スタッフの三者とも利点につながることでしょう。

■女性スタッフの就業支援

一般労働者派遣の場合、事務系業務への派遣が多く、女性が主流です。しかし、従来の対応では他社との差別化ができなくなっています。女性のライフスタイル、意識の変化や社会の女性に対するニーズの増大によって、女性が働きやすい環境の整備や優秀な女性スタッフを確保するための対策が必要になったからです。

夫の「扶養内」を求める主婦には、その専用窓口やライフプランの相談コーナーを設ける派遣会社も多くなっています。育児中であれば、派遣会社が直接託児所を開設したり、提携託児所の紹介をすることもあります。また、育児、介護などのため、仕事を中断していた人を対象に復帰対策講座の実施、託児所付きの登録会開催、在宅での仕事の紹介など、多様な試みが始まりました。さらに、自社内にリラクゼーションスポット、ネイルサロンを開設、趣味の講座を開催するなど、女性向け福利厚生の充実を図る会社さえあります。

 

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