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平成18年5月施行の新会社法において、実務上で必要となるポイントを3つ挙げると次のようになります。

1.有限会社の廃止
新会社法がスタートしたら、新たに有限会社をつくることが不可能になります。ただし、これまでの“有限会社”が強制的に廃止させられるわけではなく存続することはできます。また、簡単に“株式会社”に変更させることもできます。見方によっては、有限会社を存続させておくことにより 「歴史のある会社だ」 と思われるかもしれません。

2.資本金は1円から
これまで有限会社は最低300万円、株式会社は最低1000万円を資本金として設立時に用意しなければなりませんでした。しかし、新会社法ではこんな大金を用意せずに1円からで会社を興すことができます。また、2003年から、特別な手続きを経れば“1円会社”の設立が認められていますが、これからはその特別な手続きもいらなくなります。

3.取締役は1人でいい
有限会社はこれまでも取締役が1人でもよかったのですが、株式会社は最低3人の取締役が必要で、さらに取締役全員による集会「取締役会」を最低3ヵ月に1回開かなければなりませんでした。これが、株式会社でも取締役が1人でよくなりました。

会社設立等手続き


 
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現行では、株式会社は、取締役会を設けて、取締役を3人以上、監査役を1人以上選ばなければなりません。しかし、新会社法では、取締役を何人にするか、取締役会を設けるかといった会社の機関を一定のルールに従って自由に決めることができます。

会社は、次のルールに基づいて、会社にどのような機関を置くのかを決めることになります。

【中小企業の機関設計の4原則】
(1) すべての会社は、株主総会のほか、取締役を置かなければならない。
(2) 株式譲渡制限会社は、取締役会(取締役が3人以上必要)を置くか置かないかを選択できる。
(3) 取締役会を置かない会社は、取締役は1人以上でよく、監査役を置く必要もない。
(4) 取締役会を置く会社は、監査役か会計参与等を置かなければならない。

オーナー企業のほとんどは、株式譲渡制限会社ですから、このルールによると、もっともシンプルな機関設計は、株主総会のほか、取締役1人でいいということになります。現行の有限会社のような機関の設計が、株式会社でも認められるようになります。

また、取締役会を置かない会社は、いままで取締役会で決めていたことは株主総会で決めるようになるなど、株主の権限が今まで以上に強くなります。しかし、経営者自身が株主であるような会社の場合は気にする必要はないでしょう。

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ほとんどの株式会社は、定款に「当会社の株式を譲渡するには、取締役会の承認を得なければならない」という規定を設けています。この“譲渡制限規定”は、株主対策の一つになっています。ある株主が、会社にとって好ましくない人に株式を売ってしまったら、会社は困ります。しかし、この譲渡制限規定を設けている会社の場合は、株主がだまって株式を売ることを認めず、必ず「会社の承認を得ること」という条件を付けているので、株主が勝手に株式を売ることを防げます。

株式を売る相手を会社が認めなければ、株式を売りたい株主は、代わりに買ってくれる人を会社に指定してもらうことができます。株式を上場している会社は、このような制限があると株式流通の阻害となるので、この規定を設けてはいけないこととなっています。ですから、敵対的買収も起こりうるのです。

新会社法では、すべての種類の株式にこの譲渡制限規定がある会社のことを「株式譲渡制限会社」として、この非公開的な会社の実情に応じた次のような制度を認めています。

(1) 取締役会を置かなくてよい(1人取締役の会社を認める)
(2) 原則、取締役は2年、監査役は4年とされている任期を最長10年まで延ばせる
(3) 監査役を置く場合は、監査役の権限を会計監査に限定できる
(4) 定款に株券発行の定めがあっても、株主からの請求がない限りは株券を発行しなくてよい

改正の目玉となるこれらの制度を受けるには、すべての種類の株式に譲渡制限規定を設けた「株式譲渡制限会社」であることと定款でこれらの制度を採用していることが必要です。

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新会社法で新しく認められる制度を採用するには、定款でそのことを定める必要があります。新会社法における改正の恩恵を十分に受けるためにも、“定款”の役割はますます重要になってきます。

株式会社をつくる際には、会社内のルールを決めた定款が必要です。設立時に作成する定款は、公証役場で認証を受けなければなりません。このとき、収入印紙4万円と、公証役場の認証料5万円と謄本料がかかります。この最初の定款を“原始定款”と呼んだりします。

設立後、株主総会で定款の内容を変更しても、再度、定款の認証を受ける必要はありません。定款の認証は、最初の1回限りです。

定款は、法律の改正や会社の運営方針によって変更されていくものです。商号の変更、事業目的や会社の所在地の変更などは、すべて、会社のルールブックである定款の変更をともなうものです。

定款を変更するには、まず、株主総会で話し合い、通常は、株主総会の特別決議による承認が必要となります。その後、会社の謄本への記載が必要な事項は、登記申請の手続きをとらなければなりません。

登記申請時の添付資料として、定款を変更したことを決めた株主総会の議事録が必要です。しかし、株主総会の議事録をつくる会社でも、定款は直さずに設立したときのままになっている会社がよくありますが、変更のつど、定款を修正し、保存しておいたほうがよいでしょう。“原始定款”は、設立の証拠として重要な書類ですが、定款は、必要に応じて見直され、変更されるべきものです。

新会社法では、定款の役割が今まで以上に重要になっています。取締役会を置くかどうか、監査役を置くかどうか、役員の任期を何年にするかなどは、定款に定めることによって認められます。また、有限会社を株式会社に移行する場合や、1円会社の解散の要件の削除なども、定款の記載事項の変更が必要です。

以上、述べたとおり、すでにある会社が、これらの改正ポイントを会社運営に反映させるには、まず、定款の変更手続きが必要となるのです。

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取締役や監査役といった会社の機関の一つとして、新しく“会計参与”という資格がつくられます。税理士・公認会計士等の会計の専門家が会計参与になることができます。

上場企業や大会社については、第三者の公認会計士や監査法人が決算書のチェックをしています。中小企業にも決算書のチェック機能が必要ではないかという考えはありますが、次のような課題があります。

(1) 中小企業にとって、会計のチェックができる専門性の高い人員を雇う余力はない
(2) 監査役が置かれていても、チェック機関として機能している会社が少ない
(3) 監査法人等の監査を受けるには、コストが高すぎる

そこで、過大な負担がなく決算書などの信頼性を高めるための制度として、税理士や公認会計士を会社の機関に組み入れ、決算書などの計算書類を取締役と共同で作成させる制度として“会計参与制度”が創設されました。

この制度の設置は、会社が自由に選択でき、会社の定款でその設置を定めることができます。会計参与の氏名・名称は、登記事項として会社の登記簿謄本に記載しなければなりません。また、取締役会を設置した会社では、監査役の設置が必要ですが、中小企業では監査役の代わりに会計参与を設置することも認められています。

会計参与の主な職務内容は以下のとおりです。
(1) 計算書類について、取締役と共同して作成する
(2) 計算書類について、株主総会で報告説明を行う
(3) 計算書類について、会社とは別に5年間の保存義務を負う
(4) 計算書類について、株主・債権者への開示を行う

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新会社法では、有限会社はなくなり、株式会社にまとめられます。このため、新会社法では、新しく有限会社をつくることはできなくなります。

新会社法の施行前につくられた有限会社の場合、いろいろな法律上の規定は株式会社の規定が使われるものの、“有限会社”という商号をそのまま使用して、業務を続けることができます。また、有限会社は役員の任期がありませんが、株式会社は役員の任期があります。このような有限会社特有の制度も、「経過措置」で、特別に認められることになっています。この「経過措置」は、ある期間だけ認めるといった期間が限定されているものではありません。この有限会社に関する措置はずっと認められることとなっています。

したがって、有限会社はなくなるといっても、すでにある有限会社については、“有限会社○○”と名乗り続けることが認められ、ほとんど今の状態のままで、業務を続けていくことができます。

新会社法の施行前につくられた有限会社には、会社名に有限会社をつけるか、株式会社をつけるかという二つの選択肢があります。株式会社にしたいけれど‘資本金がない’という方も心配は無用です。新会社法では、最低資本金という制度がなくなり、資本金が1円でも株式会社として認められるのです。つまり、有限会社は、いまの資本金を増やすことなく、そのままで、株式会社に移行できるのです。

ただし、株式会社に移行すると、有限会社特有の制度は効力がなくなりますので、役員の任期の問題などは注意が必要です。

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新会社法の施行前につくられた有限会社は、有限会社という商号を使い続けるか、あるいは、株式会社に変更するかについて、決めなければなりません。

新会社法と同時に施行される「経過措置」によって、すでにある有限会社は、“有限会社○○”という商号を、今後も使い続けることができます。有限会社のままでいれば、変更の登記手続きや、看板や名刺、登録名の変更などがいらないので、費用や手間がかかりません。

新会社法では有限会社に関する規定はありませんので、有限会社という商号を使い続ける会社にも、株式会社の規定が適用されます。株式会社の規定といっても、新会社法では、最低資本金の制度がなくなり、株式会社も株式譲渡制限会社であれば、1人取締役の会社など、有限会社型の会社の形をとることが認められるので、有限会社と、制度上の違いはほとんどなくなります。すでにある有限会社は、有限会社のままでいる場合はもちろんのこと、株式会社に移行しても、有限会社型の会社の形をとれば、資本金を増やしたり、取締役の数を増やしたり、監査役を選出したりする必要はありません。

有限会社と株式会社の違いといえば、有限会社は役員の任期がないことや決算公告の義務がないことなどがあげられます。これらは有限会社に特有の制度であって、新会社法における株式会社には認められません。これらの制度は、新会社法の施行後も、有限会社という商号を使い続ける会社に限って特別に認められます。したがって、株式会社に移行してしまったら、役員の任期も決算公告の義務もあります。しかし、新会社法では、役員の任期は最長10年まで延ばすことができるようになるので、従来に比べて、すごいメリットというわけではないでしょう。

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会社を設立するときには、あらかじめその事業目的を明確にして定款に記載し、登記しなければいけません。しかし、この“目的”が適格性に欠けるとされ登記ができず、定款認証をやり直すことになって、公証役場に何度も足を運ぶはめになることがあります。

たとえば、「介護用品の販売」では認められませんが、「車椅子、紙おむつの販売」ならOK、という具合です。ただ、不思議なことに、どこそこの法務局では通ったけれど、別の法務局では通らなかったということが現実によくあります。事前に会社の本店を置こうとしている場所を管轄する法務局に確認をとることをお勧めします。(この、事前に法務局に相談し確認をとっておくことを“目的相談”といいます)

現行法では同じ商号で、同じ営業を目的として、同じ市町村内では登記ができないとなっています。なお、同じ営業か否かについては、登記事項である“会社の目的”で判断しています。

しかし、新会社法により類似商号規制が撤廃されれば、そもそも同じ営業かそうでないかの審査も必要なくなるわけですから、登記実務においても、“会社の目的”について包括的な記載が認められることとなります。実務上、商号や目的の調査には少なくとも半日から一日程度の時間がかかりますが、新会社法ではこの手間とコストがなくなりますので、かなり楽に会社をつくることができるようになります。

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これまでの商法では、株式会社・有限会社・合資会社・合名会社の4種類が用意されていました。これが新会社法では、株式会社・合同会社・合資会社・合名会社の4種類となります。また、手続きさえ踏めば、ほかの種類の会社に変更することもできます。

合同会社は、新会社法で新たに認められた会社です。その特徴は“ひと”を基本とした「人的会社」でありながら、「有限責任」である点です。つまり、社員は経営に参加しながら、合同会社の債務(借金)については、出資の額を限度に責任を負えばいいのです。

“ひと”が重視される研究開発事業、産学連携事業などには、合同事業が適しています。そして、合名・合資会社同様、法人も社員になれますので、企業同士の共同事業にも適しています。

会社の内部組織については、「定款自治」(会社の内部組織について自由に定款で定めることができるということ)が認められています。なお、信用出資や労務出資は認められておらず、株式会社と同様に、財産のみの出資しか認められていません。

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LLP(有限責任事業組合)という名のまったく新しい組織が、新会社法に関連して誕生しました。LLPはリミテッド・ライアビリティー・パートナーシップの略です。この“パートナーシップ”というのは、出資者(パートナー)たちの協力によって成立しているということを意味しています。つまり、株式会社では出資者(株主)と執行者(取締役)が分離しているのですが、LLPでは「出資者=執行者」ということになります。そのため、出資者がなにも経営にタッチしないということは禁じられています。

また、その他の特徴として、税金が会社に対してかかるのではなく、出資者一人ひとりに対してかかります(構成員課税)。LLPは“会社”ではないので法人税はかからない、という理論です。この点が合同会社との一番の違いです。これまでの会社だと、出資者が個人だった場合は、会社がまず法人税を支払い、そして個人も所得税を支払う、という二度手間がかかっていたのですが、LLPを使うとこれが個人の所得税だけですませることができます。

これまで「組合」には有限責任は認められておらず、組合員はすべての責任を負っていました(無限責任)。これだと、もし倒産した場合、あとに残った組合名義の借金はすべて組合員が返さないといけない義務を負うことになります。しかし、有限責任であるLLPならば、出資者(組合員)は、出資金額のみの責任を負うだけですみます。

さらに、LLPでは合名会社・合資会社・合同会社と同様に、利益配分を自由に決めていいルールも用意されています。

LLPは、企業同士の共同事業や専門家集団による事業などに、使い勝手のよい組織だといえるでしょう。

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会社のお金が足りないときは、資金を調達しなければなりません。資金調達の方法は、借入が一般的ですが、出資を受けて会社の資本金を増やすという方法もあります。この資本金を増やすことを「増資」といいます。

会社にとって資本金は、借入と違って返さなくていいお金です。借入金が多い場合は、この会社は危ないのではと思われがちですが、資本金が多い会社は、“この会社の財産は返さなくてよいお金から成り立っているのだ” と、安心感を持たれます。

増資は、返さなくてよい資金を増やすことなので、会社の資金繰りにも効果的です。

増資が検討されるケースは、事業の提携先が必要なお金を出資してくれる場合などです。事業で利益を出せば、その提携先(株主)には「配当」という形で利益を分配できます。また、新会社法では最低資本金の規制がなくなるので、とりあえず手元にあるお金で会社をつくってしまうケースが増えるでしょう。あとで、お金の準備ができたときに、追加で出資するという、二段階にわけた出資も考えられます。

増資の手続きについては、商法で決められています。手続きとしては、取締役(または取締役会)で株式の発行を決める → 株主への通知 → 通知から一定期間を置いたあとに、お金の払い込み → 資本金の額や発行している株式数の変更登記となります。なお、株式譲渡制限会社は、第三者割当の方法(いまの株主の持株比率と関係なく出資を受ける方法)で増資する場合には、取締役(または取締役会)だけでなく、株主総会で承認を受けなければなりません。新会社法では、資金の払い込みについての金融機関の証明書(登記の際に必要)が、残高証明等の方法にされるなど、新株発行の手続きが簡単になるよう見直されています。

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新会社法では、最低の資本金の規制はなくなり、資本金はいくらでもよくなります。資本金1000万円の株式会社であっても、減資を行い、資本金100万円の株式会社にすることができます。では、減資は、どのような場合に行われるのでしょうか。

まずは、株主にお金を返す場合です。お金が余っている会社は、「株主さんがくれたお金が多いので出資金を返金します」ということができるのです。これを「有償減資」とよんでいます。

次に、減らした資本金で累積赤字を消す場合で、減資が行われる代表的なケースです。例えば、資本金1000万円、累積赤字600万円の会社の場合、資本金600万円を赤字と相殺して、資本金400万円の会社とすることにより、赤字が消えます。これによって決算書の見栄えがよくなります。ただし、会社は赤字と資本金を消すので、株主に返金する余裕はありません。お金のやりとりはせずに、決算書の科目区分のみを変更する方法です。これを「無償減資」とよんでいます。

資本金を減らすには、まず、株主総会の決議が必要です。その後、借入先などの債権者に対して、1ヵ月以上の期間をおいて公告や通知で知らせ、意見があったら申し出てもらう機会を与えます。これを“債権者保護手続”といいます。また、減資の際には、直前期の決算について決算公告を行い、決算書の内容を知らせておくことが必要です。

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現在は、社債の発行は、株式会社のみに認められ、有限会社には認められていません。新会社法では、すでにある有限会社や、取締役1人の取締役会を置かない会社でも、社債を発行できます。社債の発行の方法については、取締役(取締役会を設置している会社は取締役会)が決めます。

社債を発行する場合には「社債管理者」を置かなければなりませんが、一定の要件を満たせば、置かなくてもよいことになっています。この要件は、いまは「社債券が50以上に分割できないようにする」などですが、新会社法では、この要件は法務省令で定められています。

簡単に社債を発行するには、「社債管理者」を置かないでよい発行の方法にしたいところです。なお、少人数私募という形式で証券取引法上の規制等を受けないためには、次の要件があります。

(1) 私募総額が1億円以下であること
(2) 社債取得申込の勧誘を行った相手方が50未満であること
(3) 社債取得者には証券会社や銀行などの金融のプロがいないこと

借入金と比べた場合の社債の発行のメリットは、返済の方法が、満期をもって元金を一括返済する点にあります。借入金は分割返済が一般的なので、借りたと同時に、返済がすぐに始まります。社債の場合は、返済期日までの3年や5年といった期間中は返済を考えなくてもよいので、この間、資金を有効に使えます。

また、社債取得者側のメリットとして、利息の税制上の取り扱いが有利という点があります。たとえば、貸付金の利息は、個人の所得税では、累進課税の税率が適用されますが、社債の利息は国税15%、地方税5%の源泉分離課税ですみます。所得が多い人ほど、この課税の取り扱いは大歓迎です。

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新会社法を読む際には、会社の形態によって適用される様々な特例が新会社法の中に盛り込まれているため、新会社法に出てくる用語の意味を正確に把握しておくことが何より重要となります。

◆ 公開会社  
  新会社法では、「発行する全部又は一部の株式の内容として、譲渡による当該株式の取 
  得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない会社」と定義してい
  ます。

◆ 公開会社でない株式会社(非公開会社)
  非公開会社とは、発行する全部の株式の内容として、譲渡による当該株式の取得につい
  て、株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けている会社のことです。

◆ 取締役会設置会社
  取締役会を置く株式会社、または新会社法の規定によって取締役会を置かなければなら
  ない株式会社のことです。

◆ 取締役会非設置会社 
  取締役会を置く必要がなく、かつ取締役会を置かない株式会社のことです。

以上の用語を使うと、「特例有限会社」は、“非公開会社で取締役会非設置会社の株式会社”ということになります。

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会社法が施行されると、現行有限会社は「特例有限会社」というものになります。「特例有限会社」とは、整備法という法律の定めるところにより、会社法の「株式会社」として存続する有限会社のことをいいます。

会社法制を一本化するために有限会社を廃止するからといって、約190万社もの数の登記がされている有限会社を廃止することは、その影響を考えればとても無理な話ですし、有限会社を経営している社長さんにとっても、とても承知できることではありません。そのため、整備法には、皆さんが不利益や影響を受けないように、「会社法の株式会社として存続すること」と「今までの有限会社と変わらないようにするための特則」が設けられており、「現行有限会社」は会社法・整備法が施行されると、自動的に準備が整えられ、現行有限会社と同様の組織形態を持つ特別な株式会社として、「特例有限会社」というものになります。

ですから、基本的に有限会社の社長さんは、会社法・整備法が施行されても、何も手続きなどをする必要はありませんし、今までと同じように会社を経営していけば良いのです。

先ほど述べた「今までの有限会社と変わらないようにするための特則」とは、例えば次のようなものがあります。

◆ 現行有限会社の“定款、社員、持分、出資1口” → 会社法の株式会社の“定款、株 
  主、株式、1株”とみなす
◆ 現行有限会社の“社員総会” → 会社法の株式会社の“株主総会”と名称が変わる
◆ 現行有限会社の“社員名簿” → 会社法の株式会社の“株主名簿”とみなす

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いわゆる一円会社(確認会社)は、「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律」によって特例的に認められている会社です。一定の要件を満たす創業者が、経済産業大臣の確認を受けることで、設立後五年間は最低資本金制度を適用しないこととされています。では、最低資本金制度を廃止した会社法が施行されたら、一円会社はどのように取り扱われるのでしょうか。

会社法において最低資本金制度が廃止されることに合わせて、整備法によって「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律」が改正され、特例は廃止されることになりますが、一円会社は最低資本金制度が廃止される会社法のもとで当然に存続することとなり、確認有限会社であれば自動的に通常の現行有限会社と同様の「特例有限会社」となります。

一円会社は通常の現行有限会社とは異なり、その定款には、特例を受けている関係から「解散事由」を必ず設けています。解散事由を定款に定めている以上は、会社法・整備法が施行され最低資本金制度が廃止されても、解散事由として定める「資本金の額に関する条件」を満たさない状態で五年の期日が到来すると、定款記載の解散事由に該当してしまうために会社が解散してしまいます。そのため、会社法・整備法施行後に、「解散事由を廃止するための定款変更手続き」を行う必要がありますので、十分な注意が必要です。

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