契約書を作成する際には、必ず相手方の意思を確認しなければなりません。「心裡留保」といい、契約を結ぶ意思がなくても、契約が成立する場合があります。例えば、契約を結ぶ意思がないにもかかわらず、冗談で契約を結んでしまった場合などです。このような場合、たとえ相手が冗談で契約書にサインしても、契約は有効に成立する可能性があります。ただし、相手が冗談で契約書にサインしたということを知っていた場合や、知ることをできた場合は、契約は無効となります。
また、勘違いによって契約が結ばれた場合は、契約が無効となる場合があります。これを「錯誤」といいます。例えば、山林の売買契約で買主が近くに道路があると勘違いした場合などがこれにあたります。このような場合、たとえ売買契約書にサインしても、契約が無効となる可能性があります。ただし、無効になるかどうかの判断は裁判所に委ねられるので、一概にすべての錯誤による契約が無効になるとは限りません。
さらに、詐欺や強迫によって契約が結ばれた場合は、詐欺や強迫をされた契約当事者によって、契約が取り消される可能性があります。よって、相手方を欺くような方法で契約を結んだり、相手方が拒否できない状況で契約を結ぶことを不当に強要したりすると、結局は、相手方から契約の取消しを主張されてしまうことになりまねません。
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